世界で2番目に広大な国土を持つカナダですが、厳しい寒さの影響で、人口の約80%がアメリカ国境から200km以内に集中しており、北部は人口が非常に少ないという特徴があります。では、カナダ留学で人気の都市であるトロントとバンクーバーの気候は、実際にはどのようなものなのでしょうか。
バンクーバーの気候
バンクーバーの平均気温と降水量
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月平均気温(℃) | 3.9 | 5.2 | 7.1 | 9.7 | 12.9 | 15.5 | 17.7 | 18.1 | 15.0 | 10.3 | 6.1 | 3.9 |
月平均降水量(mm) | 171.9 | 99.9 | 105.7 | 94.8 | 68.3 | 62.9 | 47.7 | 44.4 | 44.8 | 114.8 | 177.1 | 168.4 |
*参照:気象庁地点別平年値データ・グラフ (世界の天候データツール (ClimatView 月統計値))
「極寒」と言われるカナダの中でも、バンクーバーは比較的温暖で穏やかな気候に恵まれています。年間を通じて、気候は大きく雨季(11月〜4月ごろ)と乾季(5月〜10月ごろ)に分けられます。
雨季は雨の日が多く、どんよりとした曇り空が続きます。一方、乾季は降水量が少なく、湿度も低めでカラッとした気候です。平均気温は20℃弱、最高気温も22℃前後と暑すぎず、非常に過ごしやすい時期です。このようなバンクーバーの気候は、西岸海洋性気候と呼ばれています。年間を通じて気温の変化が小さく、四季の差が穏やかなため、暮らしやすい気候とされています。
このように、カナダの中では西岸海洋性気候に属するバンクーバーは、暖流や偏西風の影響で寒さがやわらぎ、カナダの他の都市に比べて暮らしやすい地域といえるでしょう。
バンクーバーの春(3月から5月)
4月前後は留学生の渡航が多く、ちょうど雨季から乾季へと移り変わるタイミングです。天候は不安定ですが、街中では日本と同様に桜が咲き、美しい景色を楽しめる季節でもあります。気温も徐々に上がってくるため、半年以上の長期留学を始めるには最適な時期と言えるでしょう。
バンクーバーの夏(6月から8月)
5月頃から乾季に入り、6月〜8月は晴天が続く爽やかな季節です。湿度が低く、気温も30℃を超えることはほとんどないため、日本の夏に比べてとても過ごしやすく感じられるでしょう。特に7月・8月は日本の夏休みを利用した短期留学にも人気のシーズンです。過ごしやすい気候で、英語の勉強にも集中できるのでおすすめです。
バンクーバーの秋(9月から10月)
バンクーバーの秋は短く、10月を過ぎるとすぐに雨季に入ります。日本ではまだ暑さの残る時期ですが、バンクーバーでは気温が下がり始め、肌寒さを感じるようになります。留学をこの時期に始める方は、防寒対策として暖かい衣類を準備しておくと安心です。
バンクーバーの冬(11月から2月)
冬のバンクーバーは「レインクーバー」とも呼ばれるほど雨が多く、長い雨季が続きます。気温が氷点下になる日は少ないものの、連日の曇天や雨でやや気分が沈みやすい時期です。年末年始や2月の春休みを利用して渡航する場合は、天候を想定した準備が必要です。ただし、トロントやモントリオールのように雪が積もることはほとんどありません。
トロントの気候
トロントの平均気温と降水量
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月平均気温(℃) | −5.5 | −4.0 | 0.2 | 7.0 | 13.6 | 18.8 | 21.1 | 20.4 | 15.8 | 9.5 | 3.7 | -2.4 |
月平均降水量(mm) | 67.1 | 40.8 | 48.5 | 78.3 | 77.0 | 79.8 | 68.0 | 62.4 | 71.2 | 48.4 | 63.9 | 50.6 |
*参照:気象庁地点別平年値データ・グラフ (世界の天候データツール (ClimatView 月統計値))
トロントは、まさに「カナダらしい」厳しい冬の寒さを体感できる都市のひとつです。真冬には平均気温が氷点下まで下がり、過去には最低気温−33℃を記録したこともあります。とはいえ、オンタリオ湖に面していることから、カナダ内陸部の他都市に比べると、やや穏やかな気候とされており、バンクーバーほど温暖ではないものの、比較的暮らしやすい都市ともいえるでしょう。
トロントの春(4月から5月)
長い冬が明ける4月頃からは、最高気温も10℃を超え、ようやく春の訪れを感じられるようになります。渡航直後が極寒だと外出や通学が億劫になりがちですが、この時期であれば気候も穏やかになり、友人作りや学校生活にも前向きに取り組みやすいでしょう。特に3月末〜4月は、留学スタートのタイミングとしておすすめです。
トロントの夏(6月から8月)
短いながらも、トロントの夏は最高気温が30℃を超えることもあり、しっかり「夏」を感じられる季節です。人々は公園やビーチ、パティオ付きのレストランなどでアウトドアを満喫し、音楽フェスやスポーツ観戦も盛んに行われます。開放感あふれるこの時期は、夏休みを活用した短期留学にもぴったりです。
トロントの秋(9月から10月)
夏の終わりとともに短い秋が訪れ、街は美しい紅葉に彩られます。特にメープル街道沿いでは、9月中旬から10月にかけて見事な紅葉を楽しめます。雨も少なく、気温も比較的穏やかなこの季節は、大学生の遅めの夏休みにあわせた留学にも適しています。
トロントの冬(11月から3月)
11月半ばを過ぎると、街は一気にクリスマスムードに包まれ、イルミネーションやマーケットが賑わいを見せます。ヨーロッパの影響も受けた華やかな雰囲気が魅力ですが、この時期は雪が多く、気温も氷点下の日が続きます。人々は地下街や屋内での生活が中心となり、寒さが苦手な方やカナダでの生活が初めての方にはやや厳しいシーズンかもしれません。
さいごに
いかがでしたでしょうか?カナダ代表的な都市の気候の特徴をご紹介させていただきました。
雨季の時期はどんよりとした気候ではありますが、夏は日本のような猛暑に見舞われることはありません。そのため、カラッとした落ち着いた気候のなかで、しっかり勉強に集中できるという点は、留学生にとって大きなメリットとなるのではないでしょうか。
気候について知って、変化に対応できる準備をしっかりすることで、楽しく、有意義に留学生活を過ごすことができます。人生の大きな糧となる留学を、後悔しない、価値のある経験にするためにも、しっかり事前準備をして渡航しましょう。
- 観光庁長官登録旅行業2162号