温暖な気候と、ヨーロッパのなかでも留学費用が抑えられる点が魅力のマルタ。近年注目を集めているマルタへの留学を考えている方にとって、気になるポイントの一つがビザ(査証)ですよね。留学について検索していると、一度はビザという言葉を目にしたことがあると思います。今回はマルタ留学に関するビザ情報、またその取得方法について解説します。
3ヶ月(90日)以内の留学ならビザは不要▼ |
3ヶ月(91日)以上の留学の場合は学生ビザが必要▼ |
まとめ▼ |
3ヶ月(90日)以内の留学ならビザは不要
そもそもビザ(査証)は海外の国に入国するための許可証のことです。日本は世界的に信用度が高い国であることから、ビザを提示せずに入国できる国がたくさんあります。マルタはそのビザ申請が必要がない国の一つです。マルタでの滞在が90日以内である場合、ビザを取得することなく入国し、滞在することが可能です。
90日以内ならビザがいらない理由 – シェンゲン協定とは
マルタにビザを取得することなく入国できるのは、マルタがシェンゲン協定国の一つであることが理由です。シェンゲン協定とは加盟しているヨーロッパの国家間において、出入国審査なしで国境を自由に往来できることを定めた協定です。現在、フランス、イタリア、ポルトガル、スペインなど26か国が加盟しています。マルタを含むシェンゲン協定加盟国では、日本のパスポートを持っている人はシェンゲンビザ(短期訪問ビザ)の取得が免除されています。
シェンゲン協定の注意事項
シェンゲン協定加盟国での無査証での滞在は「あらゆる180日間における最長90日」となるため注意が必要です。これは任意の基準の日からさかのぼって180日の間に、累積で90日を超えて滞在することはできないということを意味します。例えば、マルタ留学直後にフランスに10日間旅行する場合、ビザ手続きなしでマルタに滞在できる期間は最大80日間ということです。また利用するパスポートが過去10年以内に発行されていること、有効期間がシェンゲン加盟国から出る予定の日から数えて少なくとも3か月以上残っていることという条件があります。
注意点はあるものの、面倒なビザ申請手続きをしたり申請費用をかけたりせずに渡航できるのが、マルタ留学の魅力の一つといえます。
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク
参照:マルタビザ・大使館申請
3ヶ月(91日)以上の留学の場合は学生ビザが必要
2024年3月1日入国分から、3ヶ月間以上滞在を予定している場合、事前に学生ビザの申請が必要となります。なお、必要書類やプロセスなど不明確な点が多い状況です。新たな情報が発表され次第、順次ホームページを更新いたします。
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2024年3月2日更新:
日本から渡航される生徒さまに関しては暫定的に従来の方法で入国が許可されることがわかりました。こちらは、先日ご案内をさせていただいたように日本でのビザ申請が5月1日以降に義務化される可能性が高いとのことです。
学生ビザ申請プロセスについて
1.学校側が各国のビザ申請センターに直接予約をする(学生が虚偽でビザを取得するのを防止するため)
2.予約完了後、生徒はビザ書類を提出しにいく
※オンラインでの手続きが可能か、パスポートやその他必要書類を東京のビザ申請センターに直接提出する必要があるのか、まだ不明です。
3.4〜5週間の審査期間を経て、学生はVisaとパスポートを東京のビザ申請センターに受け取りに行く
参照:マルタ留学、2024年3月1日入国分より、3ヶ月以上の滞在の場合は学生ビザが必要に
91日(約3ヶ月)以上、マルタに留学する方は学生ビザ(長期滞在ビザ・D-Visa)を取得しなければなりません。学生ビザで滞在許可の出る期間はコース期間と同期間となり、最長1年間まで申請が可能です。延長により1年以上の滞在も可能ですが、その際はビザの切れる2カ月前までに延長手続きを行う必要があります。
マルタの場合、学生ビザの取得はマルタ到着後の手続きで問題ありません。入国前に申請手続きが必要な他国と比較すると手続きが簡単でスムーズです。ただしマルタで手続きするからこそ、日本にいる間にそろえておかなければならない書類があるので注意が必要です。またビザ申請から発行まで3〜4週間かかるため、マルタ到着後は早めに手続きを行いましょう。
ここでは学生ビザの取得方法について紹介いたします。
日本で用意する書類
日本を発つ前にマルタに3ヶ月以上留学することが決まっている場合、以下書類を事前に準備しておきましょう。渡航後行うビザ申請時、提出が求められます。
・顔写真(パスポートサイズ 2枚)
・有効なパスポート(少なくとも3ページの空白があり、有効期限がコース期間+12ヶ月以上あるもの)
・残高証明書(留学期間(月)×月9万円以上。申請日から3ヶ月以上前のものは不可。両親から資金援助を受けている場合、身元確認書類のコピーと資金援助者の連絡先を記載した資金援助証明書 ※ユーロ建て)
・日本までの往復の航空券(シェンゲン協定外の国への便であること)
・海外旅行傷害保険の英文付保証明書(最低30,000ユーロ以上。留学期間すべてをカバーしていること)
・未成年の場合、出生証明書、家族手帳両親または法定後見人の承認書、両親または法的保護者のパスポートのデータ
マルタ渡航後に用意する書類
渡航後語学学校に提出を依頼し、学生ビザ申請の準備を進めましょう。
・ビザ申請書(英語)
・滞在先確認書(コース期間中のホストファミリーもしくはホテルの手配書)
・入学許可書または入学承諾書(週15時間以上のコースであること)
・英語力証明書(選択したコースに申し込むのに十分な語学力があることを証明するもの)
・教育機関が受領した学費支払証明書(1,000ユーロ以下のコースの場合授業料全額、1,000~2,500ユーロのコースの場合授業料の75%以上、2,500ユーロ以上のコースの場合授業料50%以上を支払ったことを証明する領収書)
・その他、領事館が必要と判断した書類
学生ビザ申請手続きは「マルタビザ申請センター」で行う
必要書類が揃ったら、Central Visa Unit(セントラルビザユニット)で手続きを行います。ビザが切れる21日〜30日前までに十分な成績と出席を証明する書類などを含む、必要書類を提出しましょう。申請期間中はマルタを出国しないよう気を付ける必要があります。
Central Visa Unit(セントラルビザユニット)
開館時間:月曜日~金曜日 午前8時から午後2時
住所:15, 1st Floor City Gate Building, Ordinance Street, Valletta
電話番号:(+356) 2590 4550
メールアドレス:visa.ima@gov.mt
申請費用:100ユーロ
支払方法:クレジットカード、小切手
ビザ申請にかかわる情報は随時変更となります。最新の情報はセントラルビザユニットのホームページをご確認ください。
マルタ留学中、アルバイトは可能?
学生ビザを取得することでマルタで就労することができるようになります。ただし以下の通り条件があります。
・マルタでの滞在が3ヶ月を超えていること
・就労時間が週20時間までであること
・就労許可申請を行うこと
・就労許可申請費用280.50 ユーロ(約4万円)を支払うこと
・申請時に就労先が決まっていること
就労許可を得るために必要なもの
就労を開始するには、以下のように、雇用主から様々な書類を提出してもらう必要があります。
・雇用契約書
・雇用主が署名・捺印した仕事内容を記載した書類
・雇用契約書(給与、仕事内容、雇用期間、住所など)
・履歴書(従業員と雇用主の署名入りの書類)
・許可期間中の保険加入を証明する書類
・資格証明書、証明書、経験証明書、関連する推薦状、証言など、必要と判断された書類
就労許可を得る前に就労先を決める必要があること、就労先に様々な書類を準備してもらわなければならないこと、また、週20時間という就労制限があることなど、マルタでのアルバイトにはいくつかのハードルがあります。ここまで様々な手続きが必要にもかかわらず、マルタの最低週給は約91ユーロ(週13,000円程度)と、ヨーロッパのなかでもかなり低い水準です。申請手続きから実際に許可が出るまで4ヶ月程度かかることも考慮すると、マルタでアルバイトをするメリットはあまりないと言わざるを得ません。それでも働いてみたいという方は、早めに学生ビザの申請や就労先の確保、就労手続きを進めましょう。
まとめ
いかがでしょうか。マルタは90日以内であればビザ申請をすることなく留学できるということがお分かりいただけたかと思います。
マルタは東京23区の約半分という小さい国のうえ、リゾート地のためあまり大きな都市はありません。3ヶ月以上の長期留学を希望している方にとっては、途中で物足りなく感じてしまう可能性があります。3ヶ月以内の短期留学の方が、より楽しく充実した時間を過ごせるでしょう。
マルタ留学の詳細が知りたいという方はワールドアベニューまでお問い合わせください。
なお、当記事は2024年2月時点の情報となります。必ず最新情報をご確認いただきますようお願いいたします。