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  • 海外留学体験談
  • 2020.12.26

【体験談】帰国子女枠で大学に合格!ニュージーランド高校留学を経験して

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高校2年生の終わりにニュージーランドのネルソンにあるワイメア・カレッジ(公立高校)に編入したHarukiくん。日本の同級生と異なる時間軸で歩んだ2年間、どんな体験をしたのでしょうか。

海外の高校に編入しようと思った理由


以前から海外の高校に行きたいと思っていたわけではありません。むしろ、当時の僕は日本でも海外でも「高校にいく必要性」をあまり感じていませんでした。理由は「美容師になりたい」と考えていたからです。

アルバイト先だった美容室でいろいろと教えてくれた美容師さんの影響でした。
その方は中卒で美容師を目指し、僕と出会った頃はまだ10代後半でしたがすでに社会人として、美容師として3年のキャリアを積んでいました。

「美容師を目指すのに学歴や高校での勉強は必要ない」
「僕はすでに出遅れているのではないか」

その人への憧れも重なり、こんな風に考えるようになりました。そして、気がつけば高校に通う意義を見出せなくなっていたんです。高校1年目はそれでもなんとかやっていたのですが、2年目となると、もはや学校にいく気もおきませんでした(苦笑)

そんな僕を両親は心配していました。「今のままではあまりにも視野が狭い‥」と。目の前に刺激的な存在が現れ、美容師になりたいと今は強く思っているが、それは一時的な憧れかもしれない。実際に美容師を志したとき、「こんなんじゃなかった」と挫折しても、高校に戻ることはできない。その後の人生どうなってしまうのか‥と。

そして、「海外は?」と高校留学を提案してくれました。

実は中学のときオーストラリアのパースに1週間だけ留学したことがありました。きっかけは中学1年のときの英語の先生です。先生には留学経験がありました。授業中、留学していたときのさまざまなエピソードを聞かせてもらい、「楽しそうだな」「いつか行ってみたいな」と思うようになっていました。そんなとき、母が通っていた英会話で短期留学を企画しているという話を聞きました。先生の話で海外に興味津々だった僕はすぐさま留学することに決めました。

オーストラリアでの短期留学はそれはそれは楽しいものでした。英語は全くといっていいほど話せませんでしたが、それでもとても楽しかったんです。「なんだ!英語できなくても大丈夫じゃん!!」と思ってしまっていた僕は、父からの高校留学の提案に対し「海外なら楽しそうだし、英語もできるようになるならいいかも」とあまり深く考えず、乗っかってしまいました(笑)

そこからはとんとん拍子です。2年生の8月には高校を退学し、留学の準備をはじめました。
僕が生まれたとき両親は仕事の都合でアメリカに駐在していたため、僕にはアメリカ国籍がありました。「え?じゃアメリカが一番行きやすかったのでは?」と思われる方もいると思います。もちろんビザ取得の観点でいえばそうだったかもしれません。しかし留学を考える上で重要なのはビザのことだけではありません。費用や治安、そして入学の難易度、教育制度の観点を踏まえカナダかニュージーランドで検討をはじめました。

やる気のなかった日本の高校の成績がよいはずはなく、また日本の高校で勉強する科目と同じ科目を勉強したいわけでもなく、「いかに自由に学びたいことを学び高校の課程を修了できるか?」と考え、最終的にニュージーランドに決めました。

2019年度の1学期目(2月)、ニュージーランドのネルソンという街にあるワイメア・カレッジ Year12(※1)に編入しました。

※1.Year12は日本の高校でいうところの2年次です。
ニュージーランドでは高校の学年をYear(イヤー)11、12、13とそれぞれ呼びます。編入と言いましたが、ニュージーランドの場合、入学する学年はほぼ年齢で決められます。そしてYear12であっても英語力や成績、取得している単位などによってYear11で受講するレベルの授業を受講することもあれば、Year13で受講するレベルの授業を受講することもあります。詳しくはニュージーランド中学・高校留学情報をご参照ください。

経験を重ねるたびに焦りを覚えた英語力


到着してすぐの感想として(僕にとって)ネガティブだったのは想定していたよりも日本人留学生が多かったこと、ポジティブだったことはニュージーランドの人々のフレンドリーさを垣間見て安心感を覚えたことです。

僕が日本で留学準備をしていたときワールドアベニューさんから僕が通うワイメア・カレッジの校長先生が来日すると伺い、面談の機会を設けてもらったことがありました。日本人留学生の比率についてもこのとき直接聞いていたので、日本人のほとんどいない環境を期待していました。ただ、ワイメア・カレッジの協定校からその年、留学生が増えたということで、僕の想定よりも多い人数になったようでした(20名程度だったと思います)。

安心と言えば安心なのですが、できるだけ日本語を話せない環境に行きたいと考えていた僕は、少し残念な気持ちになりました。(最終的には、日本人の留学生とも仲良くなっていき、このことはネガティブに感じなくなりました)

もちろん、ワイメア・カレッジにはヨーロッパや南米、日本以外のアジア諸国からの留学生も在籍しています。1学期目、僕はできるだけ日本人をさけ、他の国の留学生と友だちになろうと試みました。

結果は大成功。なかでもドイツ人の友だちとはとても仲良くなりました。英語はまだまだでしたが、留学生同士だからかそこまでストレスを感じることもなく、留学生活開始2-3ヶ月はとても楽しく過ごしました。

ただ、大変だったのはそこからです。
友だちにも恵まれ楽しく生活していたわけですが、実は日々の学校生活、ホストファミリーとの生活のなかで、聞き逃していたり、きちんと理解していなかったりすることも多々ありました。それらが2学期目以降、少しずつ僕の生活を蝕みます。

例えば、授業開始前にあるホームルームへの参加必須ではないと理解していました。つまり遅刻や欠席しても出席率に影響することはない思っていたのです。当然、そんなはずはなく、成績のでるころには留学生にとって非常に重要な「出席率」(※2)に支障が出始めていました。

※2.3ヶ月以上の高校留学の場合、学生ビザというビザを取得します。学業を目的としたビザのため留学期間中は一定の出席率を満たす必要があります。規定の出席率を下回ると最悪強制帰国などの措置をとられることもあります。

ホストファミリーとの関係も同様に、ホストの注意やアドバイスを僕は完全に理解しきれていないことがありました。今思うと挨拶やお礼など基本的なコミュニケーションも僕が思っていたよりとれていないことが多かったのだと思います。

そんな僕に学校の先生やホストファミリーは
「何度いっても聞かない」
「英語力の問題?」
「いや、わかっているのに改善しようとしない?」
そんなふうに疑心暗鬼になっていたようでした。

そして、ある出来事でホストにものすごく怒られたことがありました。その事象だけを切り取ってみれば僕がそこまで怒られたことにはやや理不尽さを感じるのですが、それまでの積み重なりでホストからの信頼が低下、イライラもおそらくマックスで爆発させてしまったのだと思います。

ホストや先生と自分との認識のズレをなんとか修復、環境も変えたほうがお互いのためということでホストも新たな家庭に移動しました。

さすがにこのままではよくないと感じ、そこからは少しずついろんなことが前向きに進んでいったように思います。

ニュージーランドの高校で学んだ科目


僕がワイメア・カレッジで履修した科目は次の通りです。
※ニュージーランドの高校で受講できる科目についてはこちらをご参照ください。

Year12:
・ESOL(留学生のための英語の授業)
・英語(国語としての英語)
・アート
・体育
・数学
・ツーリズム(観光学)
※NCEAのレベルは全て1

Year13:
・ESOL(留学生のための英語の授業)
・英語(国語としての英語)
・アート
・日本語
・ツーリズム(観光学)
※英語以外はNCEAのレベルは全て3

一番大変だったのは国語としての英語です。当然と言えば当然ですが、ネイティブでない僕を含めた留学生の多くがもっとも苦労する科目だと思います。長文読解、日本の文章構成とは異なる構成でのライティング、表現力、単語力、全てがネイティブとは比べものになりません。頑張るしかないのですが、最後まで高校3年生レベルの授業を受けることはできませんでした。

ESOLはそんな留学生の英語を強化するためのクラスです。ESOLの先生は国語としての英語の授業に参戦し、僕たち留学生をサポートもしてくれます。ESOLは他の授業と異なりネイティブの学生はいません。日本人がやや多めだったこともあり、他の授業とは180度反対の意味で大変でした。

数学は電卓を使ってOKということもあり、方程式なんかは難しい印象がありません。ただ、解答を英語で説明しないといけない問題になると苦労しました。

アートや体育、ツーリズムの授業は大変でしたが正直かなり楽しかったです。
日本の授業とのもっとも大きな違いは「自由度の高さ」です。

例えば、アートの授業です。アートはその名の通り日本の高校でいう美術にあたる授業です。
ただ、日本の美術で絵を描くとなった場合、何を描くのかは決まっていると思います。自画像だったり、りんごだったりさまざまですが、ある程度決まっています。しかし、ニュージーランドの場合は違います。僕が受講したアートの授業ではカンバスを一枚与えられ「どうぞ自由に創作してください」というものでした。何を描いてもいいし、使用するものは水彩絵の具でも鉛筆でも、自然のなかにある草木でもなんでもOKでした。

先生も自由です。授業中なのにピザを注文します(笑)そしてそのピザをみんなで食べながら創作活動に勤しみます。さらに、先生はいつもイヤホンで何かを聴いていました。もちろん授業中にです。日本では絶対にありえない光景ですが、僕にはこの自由さがとても心地よかったです。

体育も同様です。授業によって先生不在なときがあります(笑)そんなときは生徒みんなんで好きなスポーツをします。日本では休み時間に運動場や体育館でやることといえば、サッカー、バスケ、バレーボールくらいのものですが、ニュージーランドの場合、ここにラグビーが加わります(笑)

ツーリズムではニュージーランドや近郊の国、例えばフィジーなんかの観光情報を調べパワーポイントにまとめ発表します。主にはグループワークです。その観光地でできるアクティビティや名産物、ご飯を食べれるお店、宿泊先など、役割分担しそれぞれについて調べ、プレゼン用の資料を作成します。
全く知らない国や地域の情報を1からネットや冊子を使って調べ、そしてそれをプレゼン用にまとめ、パワーポイントを作成するという作業は大変でした。ただ学びも多くとても有意義な時間でした。もちろん観光業に関する一般教養や概論も学びましたが、このようにより実践的な授業が多かったように思います。
おかげで大学でのプレゼンや英語での資料作成はそこまで怖くありません(笑)

Haruki君が通ったワイメア・カレッジ(Waimea College)
ニュージーランドの南島北部に位置するネルソンから車で20分程度のリッチモンドというのんびりした地域にある学校です。全校生徒1,500名前後と大規模で、70以上のサブジェクトと100以上のスポーツクラブがあり選択肢が豊富です。留学生サポートスタッフの数も多く、体制も充実しており、安心して生活できる環境が整っています。詳細はこちらから

楽しかったニュージーランドでの生活


一年目は学校でできた友だちとアウトドアを楽しみました。ネルソンはとても自然の豊かなところでニュージーランドらしいアクティビティを楽しめるのは大きな魅力だと思います。

二年目は学校での生活が楽しくなるのと並行して家庭での生活が楽しいものになっていきました。特に2つ目のホストには2つ下(学年は1つ下)のブラザーがいました。日本のアニメや文化が大好きだったこともあり、夜遅くまでいろんな話をしました。ファミリーは旅行も大好きで一緒にクライストチャーチに連れていってもらったこともあります。他にもお父さんの趣味がバイクで、オフロードで少しだけ乗せてもらったことなんかもあります。

日々の勉強、ホストとの会話のなかで僕の英語は格段に伸びたと思います。

美容専門学校から大学への進路変更

僕が留学を決意したのは高校2年生でした。ただ高校2年生を途中でやめていたこともあり、ニュージーランドにてきてもう一度2年生をやりました。結果、学校では常に年齢は1-2個下の子たちと勉強していました。もともと、高校を中退して1日でも早く美容師の道に‥と生き急いでいた自分ですが、不思議と焦りはありませんでした。いつも新しい出会い、新しい環境があり、大変なことも多く、日々の生活に意味を感じないなんて瞬間がなかったからかもしれません。また、ワイメア・カレッジで出会った他の日本人学生の子たちのモチベーションや考え方に刺激を受けたこともあります。

「英語力や留学経験を生かし将来は日本国内外で活躍したい」
そんな夢をもち、日本の大学への帰国子女枠入試の対策に取り組む友だちの姿をみて、改めて自分の進路を考えました。

美容室のバイトから離れ、日本から離れ、そして新しい世界でいろんな刺激を受け少なからず僕は成長したと思います。英語もまだまだです。将来に明確な目標も就きたい具体的な業種や職種もあるわけではありません。でも、だからこそ大学に行ってみようと思いました。

日本の同級生と異なる時間軸で生きてみて、それは大したことではないと思いました。
たかが1年、2年で変に焦るのではなく、少し時間をかけてもいいからもっと広い世界や新しい物事を学び、その上で本当に自分が何をしたいのか決めていってもいいんじゃないかと思えたのです。

そこからIELTSや小論文対策をはじめました。
結果、某私立大学と県立大学からそれぞれ合格をいただきました。来年の春からは大学生です。

さいごに

留学を決めたとき、僕は正直あまり深く考えていませんでした。

「英語を話せるようになったらいいな」
「海外は楽しかったからもう一度いってみたいな」

そのくらいの気持ちです。だからか、壁にぶつかったとき苦労もしました。そんな僕の体験談が参考になるのかやや不安です(笑)でも、もし留学に迷っている人が友だちにいたら「大丈夫だよ、やってみたいならやってみなよ」と言いたいです。いってみたら目の前のハードルを一つずつ超えるしかないし、頑張れば意外と越えられるものです。

行っちゃえばどうにかなります。
「行ってみたい」なら一歩踏み出してみてください。

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