オーストラリアの交通費 各都市比較 特に安いのは?
各都市交通費事情
1.シドニー
2.メルボルン
3.ケアンズ
4.ゴールドコースト・ブリスベン
5.アデレード
6.パース
7.ホバート
まとめ
オーストラリアの交通費 各都市比較 特に安いのは?
オーストラリアで留学先として人気のシドニー、メルボルン、ケアンズ、ゴールドコースト、ブリスベン、アデレード、パース、ホバート、合計8都市の交通費を見ていきましょう。
生活している都市の規模によって主要な交通機関や平均的な通勤・通学に際する移動距離は異なるかと思います。オーストラリアも都市によって規模が異なり、ホームステイ先やシェアハウスから語学学校に通ったりアルバイト先に通ったりするうえで主に利用される交通手段や平均的な移動時間は異なります。
例えば、ケアンズやアデレード、ホバートなどのように人口数も少なく、住宅のあるエリアもそこまで広くない都市となると語学学校やバイト先のある都心部までの移動距離は数キロから離れても10キロ程度です。対して人口増加が激しく居住エリアが広がるシドニーやメルボルンなどの場合、シティまでの移動距離は10~20キロ程度離れることもあるでしょう。
ここでは、通学・通勤時間30分から1時間、都心部まで10~20キロ圏内に生活している場合を想定し交通費を比較してみました。
為替レート $=95円で計算
第一位 ブリスベン・ゴールドコースト
$0.5/片道 約47円
なんと、クイーンズランド州政府の決定により、一部長距離バスを除いて一律$0.5(50セント)で片道乗れるようになっています。オフピークや乗り継ぎの割引はなく、すべて50セント定額で、ゾーンを跨いでも定額です。GoカードないしはVisa、Master、American Expressの非接触型クレジットカードまたはデビットカード、スマートフォンのデジタルウォレットに保存されているカードをご利用いただけます。
第一位 ケアンズ
$0.5/片道 約47円
同率の一位は同じ州内のケアンズです。ケアンズはゾーン制を導入しており、購入したゾーン内の乗車のみであればシングルで$0.50、1日券は$1.00と破格です。さらに、ケアンズはメインストリートが2本と町はかなり小さめ。実際には10キロも20キロも離れた場所に暮らすことは少ないでしょう。となると、実際にはかかっても$0.50~$1.50/片道* 往復約95円~285円が目安となるでしょう。
*ZONE1-3の交通費 都心から約15キロ圏内
第三位 アデレード
$2.5/片道(オフピーク時)約237円
実はアデレードの運賃は、乗車距離に関係なく2時間乗車できるようになっています。遠くに行けば行くほどお得な設定で、さらにオフピーク時は安く乗れるようになっています。さらに、アデレードシティ内は無料バスも走っており、ちょっとした観光や買い物をするときにはとても便利です。無料バスだけではなく無料トラムもあり、グレネルグビーチまで無料で乗ることができます。アデレードは別名20ミニッツシティと呼ばれ、徒歩20分圏内に必要なものすべてがそろう街と呼ばれることとあわせて考えると、生活する場所によっては交通費を0円にすることも可能でしょう。
4位以降は…
4位 ホバート $3.6/片道 約342円。
5位 パース $4.68/片道 約467円。市内を無料で循環するバスあり!
6位 シドニー $5.22/片道 約495円。
7位 メルボルン $5.50/片道 約522円。ただし、シティ外周を走る無料のトラムあり!
都市によっては留学生でも利用できる学生割引があったり、各都市通勤・通学ピーク時間をさけると交通費を安く抑えられる仕組みがあったりとさまざまです。各都市の交通費事情をもう少し詳しくみていきましょう。
各都市交通費事情
1.シドニー
やはり、経済の中心地であるシドニーは物価の高さと比例し、交通費も高めですね。ただ一方で、他都市の主要交通機関がバスというなか、シドニーはオーストラリア唯一地下鉄を含む電車が発達しているなど利点もあります。
OPALカードなしにシドニーの交通費は語れない!?
シドニーを含むオーストラリア主要都市には日本のSuicaやICOCAのと同様交通系ICカードとよばれるものがあります。OPALカードは日本のSuicaなどと同様、シドニーの公共交通機関、電車、バス、フェリーなどすべてで利用可能です。なぜ、OPALカードなしにシドニーの交通費を語れないのか?というと、OPALカードを利用することで、交通費を抑えることができるからです。
具体的にどのようなサービスがあるのか?
1.利用上限額が設定されている
シドニーでどれだけ交通機関を利用したとしても、1日$18.70以上は掛かりません。週だと$50.00が上限となります。
さらに、日曜日は$9.35が上限と定められています。旅行やショッピングで少し遠出したい方は日曜日にするとものすごいお得です。
2.ラッシュ時を避けると安くなる
シドニーの通勤・通学ラッシュは平日の朝7~9時、夕方の4時から6時半です。つまりそれ以外の時間帯の利用であれば費用が安くなる!という仕組みです。シドニー $5.22/片道 約495円と先述していますが、ラッシュ時以外に上手に移動すれば、$3.65/片道 約346円。ホバートについで第五位の安さとなるわけです。
2.メルボルン
シドニー同様、大都市がゆえにやや高くなりがちなメルボルンの交通費。一方で大きな都市がゆえにバスだけでなく電車やトラムなど、交通機関は豊富です。世界住みやすい都市ランキングで7年連続1位に輝いた功績をもつだけのことはあり、メルボルンの交通網は非常に整備されており、市内はもちろん、郊外への旅行なども便利です。また公共交通機関以外にも、自転車のシェアリングサービスMelbourne Bike Share※なども人気です。最近東京都内でも、ドコモ・バイクシェアなどよく見かける便利なサービスです。
myki(マイキー)カードなしにメルボルンの交通費は語れない!?
出典:https://www.ptv.vic.gov.au/
メルボルンには、myki(マイキー)と呼ばれる交通系ICカードがあり、これを上手に使いこなすことで交通費を抑えることができます。
mykiカードにはmyki passと呼ばれるカードとmyki moneyと呼ばれるカードの2種類があります。さらに年齢によって子供用、シニア用、大人用などさらに種類が分かれます。語学留学やワーホリでメルボルンを訪れている留学生の場合、日々学校やアルバイトに出かけると思いますので、定期のような仕組みになっているmyki pass(大人用)がおすすめです。
先述している各都市の交通費比較では7位としていますが、myki passの28日間版(1ヵ月定期のようなイメージ)を利用すると、1日あたりの料金が$6.60になります。学校と家との往復だけでなく、1日乗り放題の料金が$6.60はもう一つの大都市シドニーよりも安く設定されています。
さらにビクトリア州立の中高、専門学校、大学に通う生徒の場合、学割も適用されさらにお得です。交通費 参照
3.ケアンズ
交通費比較で堂々一位にランクインしたケアンズ。ケアンズに留学している学生の交通手段はバス、徒歩、自転車といいます。暮らす場所によってほとんど交通費は掛からないような印象ですね。
同じクイーンズランドの主要都市ブリスベンやゴールドコーストにある交通系ICカード Go Cardはケアンズでは利用することができません。よって運賃(バスチケット)の支払いは現金のみとなります。キャッシュレス化が進むオーストラリアですが、やはり都会と田舎の格差的なものはあるようですね。
ケアンズでバスに乗るなら1日チケットが最もお得!
ケアンズのバスチケットには片道チケット、1日チケット、1週間チケットがあります。通常、片道を2回買うよりも1日乗りたい放題のチケットの方が高めですよね?(3種類の単価を比較すると通常、1週間乗り放題チケット単価<片道チケット<1日乗り放題) しかし、ケアンズのバスチケットの場合、往復分のチケット費用と1日乗り放題チケットの費用が同額なのです。さらに、片道チケットが$0.50なのに対し、1週間チケットが$5.00。バスを通勤通学に使う場合、毎週1週間チケットを購入するのが得策です。
4.ゴールドコースト・ブリスベン
堂々こちらも第一位のゴールドコースト、ブリスベン。ゴールドコーストではバス、トラム、ブリスベンではバス、電車、フェリーが主な交通手段となります。
両都市ともに最も主流な交通手段はバスです。特にブリスベンでは市内を中心に無料循環バスが出ており、生活する場所によっては交通費を抑えることができるでしょう。
ブリスベン 市内中心部の無料循環バス
ブリスベンの無料循環バスは大きく3種類4路線は知っています。シティループはルート40というブリスベン中心地を時計回りに走っており、ルート50は反時計回りに循環しています。スプリングヒルループは、ローマストリート・パークランズやウィンドミル方面へ行くことのできる反時計回りのルート30です。さらに2023年1月よりサウスブリスベン・ループ(ルート86)も誕生。サウスバンク、サウスブリスベン、ウェストエンド方面をまわるのにとても便利な無料バスが新たに設けられました。
循環時間
ルート40(時計回り)・・・平日 午前7時から午後6時9分まで10分間隔
ルート50(反時計回り)・・・平日 午前7時から午後6時3分まで10分間隔
ルート30・・・平日 午前6時から午後9時15分、土曜日 午前7時56分から午後9時15分、日曜日 午前8時から午後6時46分(ピークタイム10分間隔、その他20分間隔)
ルート86・・・平日 午前7時から午後9時9分、土曜日 午前8時から午後9時9分、日曜日 午前8時から午後9時 10~12分間隔
バスストップ MAP
Go Card(ゴーカード)を利用しよう!
日本のSuicaなどと同じ交通系ICカード、クイーンズランド版がGo Card(ゴーカード)です。Go Card(ゴーカード)には年齢によって子供用、シニア用など種類があります。語学留学やワーキングホリデーで渡航中の方は、青色のAdult(大人用)カードを入手しましょう。中学・高校、TAFEなどの専門学校、大学に通う学生の場合、留学生でも緑色のコンセッションカードを利用することができます。
5.アデレード
出典:SA Planning, Transport and Infrastructure Facebook
第3位に輝いたアデレード。アデレードを留学先に選ぶ方の中には交通費を含む生活費の低さを挙げる方も多いようです。そんなアデレードの主要交通機関はバス。学割などがない状態でも片道$2.50とやはり他都市と比較しかなりリーズナブルです。ゾーン制を導入しておらず、2時間のり放題というところはとても魅力的ですよね。さらにうれしいことに、無料バスと無料トラムの利用が可能。他都市でも無料バスのサービスを持つところはありますが、アデレードのすごいところは市街地までその循環地が広がっていることです。生活する場所によっては、かなり交通費を抑えることができそうですね。
無料バス
・アデレードの北からシティ中心地
・シティ内の主要な場所 これらを結ぶバスが30分間隔で走っています。
無料トラム
・市街地と南西のグルネルグビーチ を結ぶトラムが10~20分間隔で走っています。
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さらに、メトロカードと呼ばれる他都市同様、利用することで交通費を抑えることのできる交通系ICカードもあります。
6.パース
パースの公共交通機関には電車、バス、フェリーがあります。
物価は決して安くないパースですが、キャットバスと呼ばれる無料バスの存在や、他都市同様交通系ICカード スマートライダー(SmartRider)のおかげで、交通費を抑えることができます。パースに留学する際の嬉しいポイントは6週間以上就学する予定の学生の場合、現地高校や大学の生徒でなくても学生割引サービスを受けることができるという点です。さらに、オートチャージにしておくことで最大20%も交通費を節約することができます。
無料バス CAT
CATは、パース市内だけでなく、フリーマントル、ジューンダラップ市内中心でも運行しています。パースはレッド、イエロー、ブルー,グリーンに色分けされた4つのルート。フリーマントルはレッド、ブルーキャットの2つ。ジューンダラップはレッド、ブルー、イエローと3つの異なるルートでバスが走ります。通学にはもちろん、市内観光の際にも便利な移動手段です。
7.ホバート
出典:Metro Tasmania Facebook
ホバートの公共交通機関はバスのみです。よって空港からホームステイなどへの移動は原則シャトルバス、またはタクシーを利用することになります。列車は観光列車のみで日々の通勤や通学での利用はしません。
バス路線は市内に張り巡らされており、例えばホバートしないであれば90以上ものルートがあるといわれるほどです。バスは電車と比べ比較的早く運行を終えてしまう印象がありますが、ホバートの場合、市民の足となっていることから朝は7時台から夜は23時まで運行、金曜日は午前1時まで運行しています。
ホバートの交通系ICカード
都市もそこまで大きくなく田舎のイメージのあるタスマニアですが、キャッシュレス化はかなりのスピードで進んでおり、ケアンズなどと異なり、グリーンカードと呼ばれる交通系ICカードが存在します。グリーンカードを利用することで最大20%もの割引を受けられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。短期間の留学であればどの都市に行ったとしてもそこまで大きな差はありません。しかし長期留学となると交通費だけで年間10万円近くもの差がでることには驚きましたよね。同時に、物価が高いと思いがちな都市でもさまざまなサービスを利用することで交通費を抑えることができるということにお気づきいただけたかと思います。
もちろん、今回は交通費に焦点を当ててお話しましたが、留学費用は交通費だけでなく、家賃や学費、現地で得られる収入などによっても異なります。オーストラリア留学の費用を考えるうえでひとつの参考としてご覧いただけましたら幸いです。