【最新情報】オーストラリアで不正教育機関「ゴーストカレッジ」問題深刻化 25,500件超の職業資格が無効に
オーストラリア政府は、ビザ目的で設立された不正教育機関「ゴーストカレッジ」への取り締まりを一段と強化し、25,500件以上の職業資格(VET資格)を無効化しました。これにより、多くの留学生や教育機関が影響を受ける可能性があり、オーストラリアの教育制度やビザ審査にも大きな注目が集まっています。
ゴーストカレッジとは?
「ゴーストカレッジ」とは、教育の実態が伴わないまま資格を発行したり、学生ビザの取得手段として悪用されたりする不正な教育機関の総称です。オーストラリアの職業教育訓練(VET)セクターに登録しているように見せかけていますが、実際には授業や実習の提供がほとんどなく、教育の質も極めて低いのが特徴です。短期間・低コストの資格取得を売り文句に学生を集めるケースも多く、ビザ目的や不正就労の手段として利用されることも少なくありません。
参照:ABC News
ゴーストカレッジ問題の現状
2025年6月時点で、オーストラリア政府は25,500件を超える職業資格を無効化したと発表しました。これは、十分な授業や評価を行わずに資格を発行していた疑いがあるもので、教育制度の信頼を大きく揺るがす事態となっています。
監督機関であるオーストラリア技能品質保証庁(ASQA)は、154の教育機関を対象に189件以上の案件を調査中です。今回の取り締まりでは、多くの学生が自分の資格が正しく認定されているか確認を求められており、ビザの更新や就職に影響が出るケースも出始めています。
こうした動きは、長年問題視されてきた“ゴーストカレッジ”の存在を改めて浮き彫りにし、政府が教育の質を守るため本格的な改革に取り組んでいることを示しています。
社会に与える影響
ゴーストカレッジの存在は、オーストラリアの教育制度全体に深刻な影響を及ぼしています。特に、介護・障害者支援・幼児教育・医療・IT・エンジニアリングなど、国家資格が必要な重要分野でも不正な資格が横行し、業界の安全性や人材の信頼性を揺るがす事態になっています。
さらに、誠実に学ぶ留学生が「取得資格の無効化」や「ビザ申請時の不利」といった二次被害を受けるケースも報告されており、社会問題化しているのが現状です。
なぜ”ゴーストカレッジ”が急増したのか
オーストラリアの国際教育産業は近年急速に成長し、いまでは年間約500億豪ドル規模に達しています。しかし、この急成長に監督や審査の体制が追いつかず、その隙を突く形で「資格工場」と呼ばれる不正な教育機関が増えたと指摘されています。
教育の国際的な信頼を守るためには、教育の質を高め、制度を整えることが急務であり、政府も取り締まりを一層厳しくしています。
参照:VisaVerge.com
Aged Care Insite
教育の質向上を目指すオーストラリアの取り組み
オーストラリア政府は2024年から、「ゴーストカレッジ」と呼ばれる不正教育機関の問題に本格的にメスを入れ始めました。まず職業教育訓練(VET)セクター全体を対象に大規模な監査を実施し、150校以上の閉鎖、140校への警告を行いました。この初期対応によって、多くの不正校が市場から排除され、教育業界には大きな緊張感が広がりました。
その後、2025年にかけて取り締まりはさらに強化されました。ASQA(オーストラリア技能品質保証庁)の監視体制が見直され、不正の兆しを早期に察知し対処できる仕組みが整備されました。また、学生ビザの発給基準や教育機関の登録要件は以前より厳しくなり、職業訓練登録機関(RTO)には定期的な品質チェックや、違反時の厳しい罰則が課される仕組みになりました。
教育はオーストラリア経済を支える重要な産業の一つです。そのため政府は、これまでの「規模の拡大を優先する方針」から、「質を重視した持続可能な教育体制」への転換を打ち出しました。今後も、国際的に信頼される教育システムを築くための厳しい改革が続く見通しです。
参照:SBS News
安全な学校選びのポイント
ゴーストカレッジ問題の取り締まりが強化される中、留学生自身も情報収集や学校選びに注意を払う必要があります。以下のポイントを押さえておくと安全です。
1. 学校選びは公式登録情報で確認
・ CRICOS(海外留学生向け教育機関・コース登録リスト)を必ず確認
・学校やコースの認可状況をチェックし、無認可校を避ける
2. コース内容や評価方法を事前チェック
・実習や試験、授業時間などが明記されているか確認
・「短期間・低コスト・簡単取得」をうたう学校は要注意
・ビザ更新や永住権申請時に不利益を受けないための下調べが重要
3. 不安や不審点があれば早めに相談
・学校、留学エージェント、ASQA(技能品質保証庁)、DHA(移民局)の公式窓口に問い合わせ
・ASQAのサイトには登録抹消や警告を受けた学校のリストが公開されているため、定期的に確認する
4. 情報収集の習慣をつける
・教育機関やコースの公式情報を常にチェック
・留学説明会やエージェントのカウンセリングを利用して最新情報を得る
学びやキャリアを守るためには、自分自身が積極的に情報を集め、学校選びに慎重になることが必要不可欠です。正しい情報をもとに選択すれば、不正校に巻き込まれるリスクは大幅に下げられます。
まとめ
オーストラリアの教育業界では、不正な教育機関を排除するための制度改革が進んでおり、資格の取り消しや学校閉鎖は今後も増える見込みです。これは教育の質を守るための前向きな取り組みですが、制度の過渡期にある今こそ、留学生やこれから留学を考える人にとっては正しい情報収集と慎重な学校選びがとても重要です。
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