【2025年最新】ニュージーランド高校資格NCEA制度の変更-レベル1の廃止・新資格置き換えなど
2025年8月4日、ニュージーランドの高校資格制度「NCEA」が、2028年から大きく変わるというニュースが発表されました。
ニュージーランドの全国統一の高校資格である NCEA(National Certificate of Educational Achievement) は、2002年の導入以来、柔軟性と多様な評価方法を特徴としてきましたが、従来のレベル制を見直し、基礎力重視・教科重視の新しい評価方法を導入する予定です。ここでは、制度の背景や変更点をわかりやすく解説します。
NCEA変更の背景
NCEAとは
NCEAとはNational Certificate of Educational Achievementの略で、ニュージーランドの高校生が取得する全国共通の資格です。日本の高校1年にあたるYear11から高校3年にあたるYear13までの間で学んだ内容をもとに、 単位(クレジット)を集めて資格を取得します。
評価方法は、学校のテストや課題を対象とした内部評価と、学外での共通試験(外部評価)に基づいており、高校卒業後の大学進学や専門学校への進学など、多くの教育機関で認められています。
変更の背景
ニュージーランドの高校は、主要科目(英語・数学・科学など)以外に、ビジネスやアート、テクノロジーなど様々な選択科目を受講できることが特徴です。
しかし、最近の調査結果により、従来のニュージーランドの教育制度には以下の問題点があると指摘されました。
- 学校ごとに学べる内容がバラバラで、必要な勉強をしていない生徒がいる
- 読み書きや計算の力が十分でないまま、資格をもらっている生徒が多い
- 多くの企業が「NCEAは役に立つ資格とは思えない」と感じている
こうした背景から、政府はNCEAをよりわかりやすく、信頼できる資格にするために、大きな変更を提案しています。
NCEA制度はどのように変わるか
1. 職業につながる勉強を強化
– 産業界の専門家と一緒にカリキュラムや試験を作成する
– 実際の仕事に必要なスキルを学び、就職や専門学校に行きやすくする
2. 新しい資格に入れ替え
<NCEAレベル1を廃止する>
通常、Year 11=高校1年でNCEAレベル1を勉強、資格取得を目指す場合が多かったですが、この資格を廃止することで基礎学力の向上に向けて集中して勉強することができるようになります。
<新しい資格に変更>
・Year12:New Zealand Certificate of Education/NZCE
・Year13:New Zealand Advanced Certificate of Education/NZACE
現行制度を全面的に改良し、Year 12とYear 13で国際的に通用する新しい資格に置き換えることで、より信頼性の高い学びと柔軟な取得方法を実現します。
3.「基礎力認定(Foundational Award)」を新設
Year 11で読み書き・計算、そしてマオリ語の基礎力を確実に測る「ファウンデーション・アワード」を新設し、生徒の能力を正しく示せるようしていきます。
4. 科目ごとに学ぶ形へ
-今までの「単位の寄せ集め」ではなく、科目ごとに学びをまとめる
-Year 11では英語+数学(またはマオリ語+数学)が必修となる
5. 成績のつけ方をシンプルに
-各科目100点満点、A〜Eで評価
-最低5科目を学び、そのうち4科目に合格することで資格を取得できる
参照:https://www.education.govt.nz/consultation-ncea
参照:Proposed changes to NCEA: what you need to know as parents and caregivers(PDF)
今後のNCEA変更スケジュール
- 2026年:教科内容となる全国カリキュラムがスタート
- 2028年:基礎力認定(Foundational Skills Award)が導入
- 2029〜2030年:Year 12・Year 13の新資格(NZCE/NZACE)が順次導入される予定です
まとめ
従来のNCEAは柔軟性が高く、世界的にも広く認められてきましたが、その一方で制度の曖昧さや基礎学力への不安が課題となっていました。今回の変更により、基礎力の確認や教科ごとの明確な評価が導入され、「何を学び、何ができるか」がより見えやすくなります。これにより、生徒の得意・不得意が把握しやすくなり、学力の底上げや進路選択の質向上が期待されます。
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