長期留学で失敗しない学校選び
長期の語学留学は、費用が高額になりがちです。だからこそ、実りある留学にするためには、学校選びが非常に重要になります。授業の質やサポート体制、ロケーションやその地域での生活環境などをしっかり考慮して、後悔のない長期留学を実現しましょう。
今回は、長期留学で語学学校を選ぶ際に留意すべきポイントをご紹介します。
1. 認定と評判(認可校かどうか)
2. カリキュラムの内容とレベル分け
3. 国籍バランスとクラスの人数
4. 講師の質とサポート体制
5. 立地や施設、生活環境
6. 料金・費用対効果
まとめ
1.認定と評判(認可校かどうか)
語学学校を選ぶ際、まず確認するべきなのは、その学校が各国の政府、または政府が認める業界団体によって正式に認証されているかという点です。これは長期留学を成功させる上で非常に重要な要素となります。
認定が重要な理由
1.学生ビザの取得要件
政府または許認可団体から認証を受けていない学校の場合、長期留学に必要な学生ビザの申請要件を満たせない可能性があります。ビザは留学で必要不可欠な証明書になるため、この点は必ず確認しましょう。
2.教育の質と健全な運営状況に対する保証
認証を受けている学校は、その国の教育基準や運営ルールに準拠していることが保証されています。これにより、授業の質が一定レベルに保たれ、学校の運営も信頼できるものと判断することができます。安心して学習に集中するためにも、確認しておくべき、大切なポイントです。
各国の認証の例
オーストラリア
・CRICOS (Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students)
CRICOSに登録されている教育機関のみが、留学生にコースを提供し、学生ビザを発給することができます。
・NEAS(National ELT Accreditation Scheme)
NEASは、オーストラリアの英語教育機関の品質保証を担う独立した機関であり、学校の質の高さを裏付けるものとなります。
ニュージーランド
・NZQA (New Zealand Qualifications Authority)
NZQAが語学学校をカテゴリ1から4までのランクで認定するシステムです。
※最高のランクであるカテゴリ1に認定されている学校では、学生ビザで14週間以上の就学によって週20時間以内で就労が許可されます。
カナダ
・DLI(Designated learning institutions)
州や準州政府に留学生を受け入れることが許可された学校であることを表す認証であり、DLIに認定されていない学校の入学許可書では、学生ビザを取得することができません。
・EQA(Education Quality Assurance)
ブリティッシュコロンビア州では、州政府のEducation Quality Assuranceプログラムに指定されている教育機関のみが、留学生を受け入れ、学生ビザをサポートすることができます。
イギリス
・British Council
イギリス政府公認の教育機関で、語学学校の質を評価・認定する機関です。
・English UK
イギリスの語学学校の協会で、加盟校は教育内容、教師の質、学生サポートなどの質の高い教育を提供することが約束されています。
アメリカ
・CEA (Commission on English Language Program Accreditation)
アメリカ教育省に承認された唯一の専門認定機関であり、認定を受けることにより、英語教育プログラムの質を保証されます。
フィリピン
・TESDA (Technical Education and Skills Development Authority)
学校を運営するために必須であり、信頼できる学校かを判断する重要な指標となっています。
マルタ
・FELTOM (Federation of English Language Teaching Organisations Malta)
FELTOMとは、マルタにある英語語学学校の自主規制団体であり、認定を受けている学校や加盟している学校は、質の高い教育とサービスを提供していると見なされます。
・ELT Council(English Language Teaching Council)
マルタの教育省によって設立された政府機関で、マルタの英語教育セクター全体を監督し、規制している政府の規制機関です。
2.カリキュラムの内容とレベル分け
長期留学をするからには、日常会話力の向上に加え、より高いレベルの英語力習得を目指したいと考える方も多いのではないでしょうか。そういった場合、一般英語コースだけでなく、試験対策(IELTS、TOEIC、ケンブリッジ英語検定など)コースや特定のシーン(ビジネスシーンや医療現場など)で活きる英語を学べるような上級者向けのコースの充実度を確認することが重要です。
試験対策、例えばIELTSやケンブリッジ英語検定対策コースがあることで、アカデミックな英語力を鍛えながら、実践的な英語の土台をしっかり築くことができます。さらに、近年では、ビジネス英語や医療英語、ツーリズム英語など、特定の専門分野で即戦力となる英語力を養うコースを提供する学校も増えています。これらの専門コースは、将来のキャリアを見据えた実践的な英語力を習得したい方に最適です。
試験対策コースや専門コースは、留学で培った英語力を客観的に証明するための国際的な資格や経験としても効果的であり、進学や就職にも有利に働く可能性があります。目標とする英語試験や学びたい専門コースが明確にあることで、日々の一般英語コースの受講にもより一層集中して取り組めるでしょう。
さらに、長期留学をより充実したものにするためには、適切なレベル分けが行われているかも非常に重要なポイントです。
多くの語学学校では、入学前にレベル分けテストを行い、学生の英語レベルを正確に把握します。テスト結果によって、今後学習していくクラスが決められるため、レベルの正確さや適切なレベルのクラスに配置されるかを確認すると良いでしょう。一人ひとりに合ったきめ細やかな指導と、自身の英語力にぴったりの環境で学習できることで、英語力を最大限に伸ばすことができます。
3. 国籍バランスとクラスの人数
国籍比率とクラスの人数は、留学生活の質と英語学習の効果に大きく影響する重要なポイントです。
「せっかく留学するなら、日本人以外の留学生と交流したい」と考える方は多いでしょう。
したがって、日本人留学生が少なければ少ないほど、学校内や放課後の交流で英語を使う機会が増えます。これは、日本人同士で固まって日本語で話してしまうことを防ぎ、英語漬けの環境を作り出す上で非常に大切な要素です。
多様な国籍の学生と交流することで、それぞれの文化や価値観に触れることができます。教科書では学ぶことができない、実践的な英語力を得ることができるのはもちろんのこと、グローバルな視点やコミュニケーション能力を養うことができる、貴重な経験となるでしょう。
また、「ベストなクラスの人数」は、個人の性格や学習スタイル、目標などによって異なります。
少人数クラス(およそ10名以下)
1. 講師が生徒一人ひとりの理解度や進捗を細かく把握でき、個別のアドバイスやきめ細かいフィードバックを受けられる。
2. クラスメイトが少ないため、必然的に発言の機会が増え、スピーキング力やコミュニケーション能力の向上に直結する。
中人数クラス(およそ10〜15名)
1. ある程度の個別指導を受けつつ、多様なクラスメイトとの交流も期待できるほどよいクラス人数。
2. 少人数クラスほど高額ではなく、大人数クラスよりも手厚いサポートを受けられることが多い。
3. グループワークやディスカッションが活発に行われることが多い。
大人数クラス(およそ15名以上)
1. 大人数クラスは授業料が最もリーズナブルな傾向があるため、費用を抑えることができる。
2. 様々な国籍の生徒と一緒に学ぶことができるため、異文化理解のチャンスが多い。
「とにかくたくさん話したい」「きめ細かい指導を受けたい」という方には、少人数クラスがおすすめです。一方で、「費用を抑えつつ、色々な人と交流したい」「自主的に勉強を進めたい」という方には、大人数クラスがぴったりでしょう。「バランス良く学びたい」とお考えの方は、中人数クラスを選ぶのも選択肢の一つです。
学校選びの際は、ウェブサイトやパンフレットで平均的なクラス人数を確認したり、可能であればクラスの雰囲気についても事前に情報収集することをおすすめします。
ワールドアベニューでは定期的に提携語学学校への視察を行い最新状況を確認しています。学校選びや情報収集でお困りでしたら、ぜひ無料留学カウンセリングをご利用ください。プロの留学コンサルタントが、あらゆる不安を解消し、留学を成功させるために尽力いたします。
4. 講師の質とサポート体制
質の低い語学学校では、教師経験や資格を持たないネイティブが、英語を話せるというだけで講師を勤めていることがあります。しかし、英語を話せることと、それを効果的に教えることとは全く別物です。基礎から応用までしっかりと英語を学びたいと考えるのであれば、教師の質には十分注意しておく必要があります。
資格や指導経験
語学学校の教師は、英語を母国語としない外国人向けの英語教授法(TEFLやTESOLなど)の資格を持っていることが一般的です。これらの専門資格は、効果的な英語指導のための知識とスキルを持っている証です。また、豊富な指導経験があることによって、様々なバックグラウンドの留学生に対応でき、効果的な英語力を培うことができます。
充実したサポート体制
長期留学中は、学習面だけでなく、生活面においても様々な不安や問題が生じる可能性もあるでしょう。したがって、充実したサポート体制がある学校は、安心して学習に集中できる環境を提供してくれます。
学習面で行き詰まった時や英語学習のアドバイスをしてくれるスタッフがいるか否かは非常に大切な条件となります。また、定期的な進捗面談や個別指導の機会があればさらに安心でしょう。また、日常生活のサポートも非常に重要なので、日本人スタッフや日本語対応可能なスタッフがいる学校だと言葉の壁による不安を軽減することができます。その上、長期留学後の進路に迷っているなら、現地の大学や専門学校への進学、または就職のキャリアパスを相談できる専門カウンセラーの有無も確認しておくと良いでしょう。
5. 立地や施設、生活環境
長期留学において、学校の立地や施設、そして周囲の生活環境は、長い留学生活全体の満足度に大きく影響します。
1.アクセスの良い立地を選ぶ
語学学校は、基本的に月曜日から金曜日(集中コースの場合は木曜日までということもあります)まで毎日通うことになります。このため、学校の場所は非常に重要です。
学校が交通の便の悪い場所にあると、長期間留学することで、通常よりも通学費がかさむだけでなく、移動に多くの時間を費やしてしまい、アルバイトや友人との交流、観光などの学校外の時間が減ってしまいます。
そのため、公共交通機関が比較的発達した語学学校を選ぶことは、通学の利便性はもちろん、買い物や銀行、医療機関へのアクセスも格段に向上させ、留学生活をより充実させることができるでしょう。
2.充実した学習施設
学校を選ぶ際は、学習をサポートする施設が充実しているかを確認しましょう。放課後も学校で自習したり、クラスメイトと課題に取り組んだりできるスペースがあると、学習効果が高まります。
また、生徒同士が交流できるラウンジやカフェスペースの有無も重要です。授業の合間や放課後にリラックスしたり、他国の学生とコミュニケーションを取ったりする場は、英語力向上にも繋がります。
3.生活環境
現地の気候が快適であるか、そして自然が身近にあるかといった点も非常に重要です。例えば、気候が合わないと体調を崩しやすく学習に集中することができなくなります。自然豊かな環境は気分転換になり、ストレス軽減にもつながります。
また、異文化交流を深めたいなら、多国籍な人々が集まる都会の方が、多様な背景を持つ人々と交流する機会が多く、語学を使う場面も豊富にあります。一方で、現地の文化に深く浸り、落ち着いた環境でじっくりと学習したい場合は、地域コミュニティとのつながりも深い田舎の地域も魅力的な選択肢となります。
また、地域によって物価や生活費なども大きく異なるため、渡航後に困らないよう、節約を優先するか、それとも利便性を優先するかは、留学の目的に合わせて事前に考えておくのが良いでしょう。
4.治安
その他の選ぶポイントとして、滞在する地域や学校周辺の治安状況についても確認しておくことが大切です。安全に生活できる環境かどうかを見極めるために、過去の犯罪発生状況や現地に住んでいる人の口コミ、留学経験者の体験談なども事前に調べておくと安心です。渡航先によってはエリアによって大きく治安が異なることもあるため、同じ都市でもどの地域に滞在するのかを慎重に検討しましょう。
とはいえ、フィリピンやアメリカなど、治安に不安を感じざるを得ない国も存在します。そういった国の学校に通う場合、安心して留学生活を送るためのセキュリティ対策が万全かどうかの確認も欠かせません。防犯カメラや警備員、セキュリティシステムが導入されているか、そして万が一の事態に備えて緊急連絡先や緊急時のサポート体制が明確であるかどうかも、事前に確認しておくべき一つのポイントです。
6. 料金・費用対効果
長期留学では、留学期間が長くなるため、費用は大きな検討事項となります。予算をできる限り抑えたいという気持ちは当然ですが、安さだけで学校を選ぶのは注意が必要です。
費用と質のバランスを見極める
あまりにも学費が安い語学学校の中には、以下のような問題点がある場合があります。
1.施設の老朽化
建物が古く、設備が十分に整っていない可能性があるため、集中力やモチベーション維持に大きく影響してしまいます。
2.学生の学習意欲
学費が安すぎると、学習に対する意識が低い学生が集まりやすくなる傾向もあります。学習意欲の高い仲間との出会いは、切磋琢磨し英語力を伸ばす上で非常に重要です。
3.教師の質
費用が安い語学学校の中には、運営コスト削減のため、経験が浅い、または資格を持たない教師を採用しているケースがあります。結果として、生徒は質の高い英語学習を受けられず、せっかくの留学で、時間と費用が無駄になってしまう可能性も少なくありません。
コストパフォーマンスの高い学校選び
重要なのは、質と価格のバランスを見極め、費用対効果の高い学校を選ぶことです。必ずしも「高ければ高いほど良い」というわけではありません。
学費はもちろんのこと、入学金や教材費、滞在費など、学費以外の費用を含めた予算を明確にし、費用を抑える工夫をすると良いでしょう。
そして、設定した予算内で、授業の質、カリキュラムの内容、教師の資格、施設の充実度、サポート体制などを比較検討することでより良い語学学校に巡り合うことができるでしょう。
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まとめ
長期留学の学校選びは、多岐にわたる要素を考慮しなければなりません。認証の有無、カリキュラムの内容とレベル分け、国籍バランスとクラスの人数、教師の質とサポート体制、そして立地・施設・生活環境・治安、料金・費用対効果といった点は、どれも欠かせない重要な要素です。
どこのポイントを最重要視するかは、留学の目的や目標、そして「どんな留学生活を送りたいか」という想いに沿って、決めていくと良いでしょう。
また、これら全ての情報を個人で集め、比較検討するのは非常に労力がかかります。「何をしたらいいかわからない」「比較ってどうやってやるの?」とお困りの方は、ぜひ無料カウンセリングにて、プロの留学コンサルタントに相談してみてください。