【最新情報】シドニー大学・メルボルン大学が2026年度国際学生向け学費を改定
2026年度から、オーストラリアのシドニー大学とメルボルン大学が国際学生向け学費を引き上げることを発表しました。シドニー大学では学部によって最大13%の値上げが行われ、薬学やビジネス系コースの年間学費はAU$60,000を超える見通しです。メルボルン大学も全学部で約6.9%の値上げを実施し、生物医学や商学系コースの総費用はAU$200,000を超える水準となります。
シドニー大学の学費と値上げ率
学部・専攻 | 年間学費(2025年度) | 年間学費(2026年度) | 値上げ率 |
---|---|---|---|
人文・社会科学(Arts and social sciences) | AU$46,900 – AU$53,600 | AU$49,200 – AU$56,300 | 約+4.98% |
医学・健康(Medicine and Health) | AU$57,700 – AU$62,800 | AU$60,600 – AU$65,900 | 約+4.98% |
ビジネス(Business) | AU$53,600 | AU$56,300 – AU$60,600 | 約+9.05% |
理学(Science) | AU$53,600 – AU$57,700 | AU$56,300 – AU$60,600 | 約+5.03% |
工学・コンピューター科学(Engineering and computer science) | AU$57,700 | AU$60,600 | 約+5.03% |
※一部抜粋
参照:International student tuition fees
2026年度の学費は、全体的にはおよそ5%の値上げとなり、多くの専攻で数%の上昇にとどまっています。ただし、教育省が定めるコースの最低額と比べると、一部の専攻ではおよそ4倍に達するほど高額となっています。中でもビジネス学部は値上げ幅が大きく、Postgraduate Research(大学院研究)ではAU$53,600から最大AU$60,600へと約13%の増加が確認されています。また、医学・健康学部の学費も年間6万豪ドルを超える水準に達し、これらの分野が特に高騰していることがわかります。
メルボルン大学の学費と値上げ率
学部・コース | 年間学費(2025年度) | 年間学費(2026年度) | 値上げ率 |
---|---|---|---|
法学(Juris Doctor) | AU$46,976 | AU$49,984 | 約+6.4% |
医学(Doctor of Medicine) | AU$89,984 | AU$94,976 | 約+5.55% |
人文・人文学(Bachelor of Arts) | AU$37,884 – AU$52,032 | AU$38,004 – AU$56,252 | 約+4.83% |
ビジネス/商学(Bachelor of Commerce) | AU$49,220 – AU$55,328 | AU$52,360 – AU$59,052 | 約+6.57% |
工学・情報技術(Master of Software Engineering) | AU$57,984 | AU$62,976 | 約+8.61% |
※一部抜粋
参照:The University of Melbourne
メルボルン大学では2026年度から全学部の平均学費が約6.9%引き上げられる見込みで、Bachelor of Biomedicine(生物医学学士)やBachelor of Commerce(商学士)などの人気専攻では、コース総額がAU$200,000を超えると予想されています。特に生物医学や商学の分野は、最新の研究設備や教育環境を維持するためのコストが高く、学位取得にかかる費用が大幅に上昇する傾向にあります。
値上げの背景と狙い
2026年度に予定されている学費の値上げには、いくつかの政策的・経済的な理由があります。
留学生の集中を緩和する政策
オーストラリア政府は、大学運営が国際学生に過度に依存している状況を見直そうとしています。その一環として、都市部に集中している学生を地方大学やさまざまな専攻に分散させる政策を進めており、よりバランスの取れた教育環境の実現を目指しています。
住宅不足・生活コストの問題
留学生の急増によって都市部の住宅不足や生活費の高騰が問題となっており、学費値上げはこうした都市部の負担を軽減するための対策の一つとされています。
教育の質を守るための投資
大学は研究環境やキャンパス設備の整備に継続的な投資が必要です。授業料収入はそのための重要な財源となっており、値上げは教育の質を保つための現実的な手段といえます。
インフレや運営コストへの対応
2024〜2025年度のインフレ率を上回る値上げは、大学運営にかかる人件費や設備費の上昇を反映したものです。教育環境を安定して提供し続けるためには、こうした価格改定が不可避となっています。
学費の値上げは、単に大学の収益を増やすためのものではなく、国の教育政策や都市部の負担軽減、そして教育環境をよりよく保つための取り組みの一環といえます。
参照:ICEF Monitor
留学費用見直しによる対策
学費の値上げにより、これから留学を目指す学生にはより計画的な準備が必要になります。学費や生活費の上昇は負担となりますが、工夫次第で十分に対策は可能です。
①資金計画の早期見直し
学費だけでなく、生活費やビザ申請費用も含めた総額を正確に見積もり、早めに計画を立てましょう。
②奨学金の活用
シドニー大学の「International Student Award」(授業料20%オフ)や、メルボルン大学の成績優秀者向けScholarshipなど、各大学が用意する奨学金を積極的に利用しましょう。
③留学先・都市の選び方を工夫
都市部は生活コストが高いため、地方キャンパスや郊外の大学を検討するのも一つの方法です。
④柔軟な学び方の検討
オンライン授業や短期プログラムを組み合わせることで、費用を抑えつつ学びの幅を広げることができます。
こうした工夫を重ねれば、学費の上昇があっても留学の夢をしっかりと実現できるはずです。
まとめ
2026年以降、オーストラリアの大学では国際学生向けの学費がさらに上昇し、留学を目指す学生にとって費用の負担はこれまで以上に大きくなりそうです。しかし、学費が上がっても、オーストラリアの大学が誇る世界トップレベルの教育や研究環境の価値は変わりません。だからこそ、増える費用に備えて、早めの情報収集や計画的な準備がこれまで以上に重要になります。
また、すべての大学が一律に高額というわけではなく、大幅な値上げが行われる大学がある一方で、比較的費用を抑えて学べる大学もあります。そのため、自分の目標や予算に合った進学先を見つけることも大切になります。
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