【最新情報】H-1Bビザに100,000ドル手数料導入へ ー アメリカ就労のハードルが激変
こんな人は要チェック!
・専門分野でキャリアを形成したい人
・アメリカ留学を考えている人
・医療・研究/IT・ビジネスに興味がある人
アメリカで働くことを目指す高度人材向けの「H-1Bビザ」に大きな制度変更が入りました。大統領が署名した新しい大統領令により、申請に年間10万ドル(約1,500万円)の手数料が課されることになります。すでに米国内で働いている方には影響が少ない一方で、新規にアメリカを目指す人や企業にとっては非常に大きな負担となる見通しです。
対象者は「新規申請者」
今回の高額手数料は、F-1ビザは対象外となっており、新しくH-1Bビザを申請する人が対象です。
更新や再入国については免除される見込みですが、詳細な運用ルールはまだ確定していません。とくに医師や研究者など、社会的に必要とされる一部職種については例外を設ける可能性も議論されています。
項目 | 従来の手数料(目安) | 新制度案 |
---|---|---|
基本申請料 | 約460ドル〜(約7万円) | 100,000ドル(約1,500万円) |
教育訓練費用などの付加費用 | 数百~数千ドル | 維持される見込み |
適応対象 | 新規申請・更新 | 新規申請のみ(更新・再入国は免除予定) |
従来のH-1B申請では、基本申請料や教育訓練費用、詐欺防止費用などを合算しても、総額は通常数千ドル程度にとどまっていました。企業にとっては負担ではあるものの、国際人材の採用を十分に検討できる水準でした。
しかし新制度では、基本申請料そのものが一気に200倍以上に跳ね上がり、さらに従来からの付加費用も維持される見込みです。結果として、総額はほぼ確実に10万ドル(約1,500万円)を超えるとされています。
この負担は、個人にも企業にも非常に大きな痛手となります。特に、これからアメリカで働こうとする外国人専門職や、その採用を考える企業にとっては、これまで以上に挑戦が難しくなるのは間違いありません。今後は、人材の国際的な移動やアメリカ国内での人材の確保に、大きな影響が及ぶ見通しです。
参照:Forbes「How Trump’s $100,000 H-1B Visa Plan Changes Immigration」
なぜこんなに高額に?背景にある狙い
今回の大幅な引き上げの背景には、「アメリカ人の雇用を守る」という政治的な狙いがあります。
これまでH-1Bビザを利用して、企業が外国人を比較的安い賃金で雇うケースがあり、その結果「アメリカ人の仕事が奪われている」という批判が強く出ていました。
そのため、新しい制度では、本当に高いスキルを持ち、高い給与を払える人材だけを受け入れることを目指しています。つまり「誰でも取れるビザ」ではなく、「選ばれた人だけが対象」という仕組みに変えようとしているのです。
ただし、この方針には大きな懸念もあります。
優秀な国際人材がアメリカに来にくくなる
申請に1,500万円以上かかるとなれば、企業にとっては大きな負担です。その負担から避け、採用を控える企業が増えれば、結果的に世界中の優秀な人材がアメリカを目指しにくくなるというデメリットがあります。
医療や研究の分野で人手不足が深刻化
すでに多くの外国人医師や研究者がH-1Bビザを利用してアメリカで働いています。新制度で新しい人材を呼び込めない場合、地域医療の担い手が減ったり、最先端の研究が停滞する可能性があります。
参照:Reuters「American Medical Association urges DHS to exempt physicians from new $100,000 H-1B visa fee」
今後の見通しと注意点
今回の制度変更は、まだ不確定な部分が多く、今後の動きをしっかり見ていく必要があります。
開始時期
新しい手数料が「いつから適用されるのか」「どのタイミングで支払うのか」は、現時点では明確に決まっていません。そのため、もし来年からすぐに導入されれば、すでに準備を進めている人への影響は大きくなりますが、数年後からの開始であれば、計画を立て直す時間を確保することができます。
H-1Bビザで留学や就職を目指す人は、発表や開始のタイミングを常にチェックしておくことが不可欠です。
例外となる職種があるのか
医師や研究者など、社会にとって不可欠な職種については、免除が認められる可能性があります。もし免除が適用されれば、医療や学術分野への影響はある程度抑えられますが、ITやビジネス関連職は免除の対象外となる見込みが高く、多くの人に直接影響が及ぶと考えられます。
つまり、自分の専門分野が免除対象となるかどうかが、アメリカでのキャリアを実現できる可能性を大きく左右することになります。
影響がある分野
特に大きな影響を受けるのは、これまでH-1Bビザに大きく依存してきた業界です。
IT企業、研究機関、大学などの組織は国際人材を積極的に採用してきました。しかし、企業が一人の採用ごとに高額なコストを負担するとなれば、「優秀でもコストに見合わない」と判断され、採用枠を縮小したり、アメリカ以外の拠点で人材を雇用する動きが広がる可能性があります。
その結果として、留学後にアメリカでの就職を希望する学生や若手人材にとっては、これまでよりも採用のチャンスが大幅に減少してしまうという現状があります。
したがって、今後は最新情報をこまめに収集し、事前準備や自分の進路、キャリアプランを柔軟に見直す姿勢がますます重要になります。
まとめ
今回の制度変更は、アメリカでのキャリアを目指す人にとって、大きな転換点となる可能性があります。とはいえ、開始時期や適用範囲などはまだ不透明で、将来の見通しに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
だからこそ、「自分にはどんなプランが合っているのか」「まずは何から準備を始めればいいのか」といった具体的なステップを整理することが大切です。将来のプランに迷ったときはぜひワールドアベニューの留学カウンセリングにて、お気軽にご相談ください。