アメリカよりは治安がいい。しかし危機感はもって生活しないければならないカナダ
出典:国連 Drugs and Crime’s Global Study on Homicide 2023
外務省の報告による実際の犯罪発生率(人口10万人あたりの犯罪人知件数)は日本の約10倍です。世界でもトップクラスの治安のよさを誇る日本人がイメージする環境とは、ややイメージギャップがあります。
犯罪の内容としては、ギャング絡みの発砲・暴力事件や、夜間の銃器、刃物での脅迫・暴行、その後の盗難などだと言います。アメリカと異なりカナダの場合、一般の拳銃の所持や利用は認められていませんが、アメリカに隣接していることもあり、銃の密輸は後を絶たず、在留邦人が銃器で脅迫されるなどの被害報告も挙がっているため、危機意識を持って生活する必要があると言えます。特に夜間、人気の少ない場所に出かける際などには十分な注意が必要です。
特に注意すべきは軽犯罪
トロントやモントリオール、バンクーバーなど留学先として人気の都市では、日本人を含む留学生を狙ったスリや置き引きなどの軽犯罪が多発しています。
例えば、レストランやバーなどで食事の際、人が集まる祭典や音楽のフェアなどのイベント会場にて、椅子の上や机の下においておいた鞄が盗まれる、または鞄から貴重品が抜き取られる、クレジットカードなどがスキミング被害にあうなど多発しています。アルコールを飲みながら会話に夢中になったり、お手洗いなどで席を外したりするタイミングなど、貴重品に対する危機意識を持つよう心がけましょう。
日本では「ダメ!ぜったい!」-マリファナは合法化!?
日本では無許可所持に最高懲役7年、営利目的栽培には懲役1年以上10年以下という重い刑罰がつく犯罪の元となる「大麻(マリファナ)」。2018年10月17日より、18歳以上の成人による大麻(マリファナ)の所持・使用の一部が合法化されています。
そのため、18歳以上のカナダ国民は店頭でマリファナを購入できるようになっています。
マリファナを合法化するにあたり、さまざまな社会問題が懸念されていました。例えば、人口約3,500万人ののうち100万人が日常的にマリフアナを使用しているという事実、特に、未成年者(カナダでは18歳未満)の大麻所持や使用が問題視されていました。そこで、カナダ政府は、マリファナを合法化したうえで生産や流通、販売に厳格な規制を設け、未成年のマリファナ入手抑制につなげたいと考え、法案成立にこぎつけました。娯楽目的での大麻使用を合法化とする国は、G7としては例を見ない初めての国となりました。
*大麻はカナダ、オランダやアメリカのいくつかの州などで医療の現場で治療に使われているものの、大麻の吸引は、燃焼時のタールによって慢性的な気管支炎、癌などの原因、精神的な害としては統合失調症、うつ病、パラノイアなどの精神障害があるとされています。
*出典:Wikipedia-大麻
中毒性や身体への悪影響は煙草やアルコールよりも少ないなどという意見もあるマリファナですが、軽度の刺激では満足できなくなった人々がより刺激と中毒性、身体への影響の強いドラッグに手を出すこと、またその可能性も高いことが考えられ、犯罪件数の増加も想定されると思います。
カナダでは、温かいひだまりのなか、公園で気持ちよくマリファナを使用している方も普通にいます。日本は上記の通りマリファナの所持、譲渡が違法とされている国です。日本人はカナダ在住・滞在中であっても日本の法律が適用となる場合があり、カナダ国内でもマリファナに手を染めることはできません。
万が一、犯罪に巻き込まれた場合は、すぐに警察に届け出をしましょう。
電話による緊急連絡番号は911です。バンクーバーであれば、“Japanese please”というと日本語での対応も可能です。
その他、状況だけではなく、安全対策方法も知りたいという方は、留学前に必ず確認したい海外の治安情報と留学中の安全対策をご参照くださいね。
まとめ
ここまでカナダの治安について特に事前に知っておくべきこと、気を付けないといけないことをまとめました。記事内のことを意識し気を付けていただければ、決して治安がものすごく悪い国というわけではなく、問題なく留学生活を送る方も非常に多いです。カナダの治安状況を心得、安全面に配慮して生活をすれば、快適な留学ライフを送ることができます。ぜひこちらのページを参考に心の準備をしておきましょう。
- 観光庁長官登録旅行業2162号