【最新情報】止まらぬ住宅不足…カナダの家賃が高騰し続けるワケ
こんな方に読んで欲しい!
・カナダへの留学を計画している方
・住まい探しや家賃の目安を知りたい方
・最新の海外の住宅事情に興味がある方
カナダの国の調査によると、2035年までにさらに約69万戸の住宅が必要で、現在の計画を含めると合計で約320万戸の建設が求められているほど、深刻な住宅不足が続いています。
移民や留学生の増加に加え、建築費の高騰も影響し、都市部を中心に家賃や住宅価格が上がり続けている状況です。
参照:Global NEWS
住宅不足を生む3つの背景
カナダの住宅市場は今、深刻な家不足に直面しています。住宅の建設ペースが需要に追いつかず、家賃や住宅価格の上昇が長引く状況が続いています。その影響で、学生や新しく移住してくる人にとっても、住まい探しは大きなハードルになっています。
この住宅不足には、大きく分けて3つの原因があります。
住宅建設のペースが需要に追いつかない
現在のカナダでは、年間およそ29万戸の住宅が建てられています。しかし、国の試算では毎年40万戸以上の供給が必要とされており、年間10万戸以上が不足している計算です。
この不足は年々積み重なり、2035年までに約69万戸の追加住宅を確保しなければならない状況にあります。
これほどのスピードで住宅を建設するのは、過去に例がない規模であり、短期間での解決は非常に難しい課題となっています。
参照:Housing starts for July 2025
建設における多くの障壁
土地利用や規制の制限:
大都市では土地の値段がとても高く、住宅を建てられる土地がそもそも少ないのが現状です。さらに、建築の許可や開発計画の承認には時間がかかり、厳しいルールも多いため、新しい住宅の建設計画があってもすぐに工事を始められないケースが多くあります。
建築コストの高騰:
木材や鉄鋼、コンクリートといった建築資材の価格がパンデミックや国際情勢の影響で急上昇し、今も高止まりしています。
インフレの影響も重なり、住宅を建てるコストは過去にないほど高くなっており、新規建築のハードルはますます上がっています。
労働力不足:
ベテラン労働者の引退や若者の建設業離れ、都市部の高い生活コストなどが影響し、必要な人材の確保が難しくなっています。
その結果、工事の遅れや労働コストの上昇を招き、住宅価格にも直接影響を与えています。
移民・留学生増加による需要の急拡大
カナダでは移民の受け入れが積極的に進められ、毎年40万人以上の新しい移民が国内に加わっています。加えて、留学生の数も年々増加しており、特に大学のある都市では賃貸住宅の需要が一気に高まっています。
こうした人口増加により、住宅を借りたい人の数が供給を大きく上回り、物件の取り合いが発生し、結果として家賃や住宅価格は急騰し、学生や新移住者にとって住まい探しが難しい状況になっています。
この傾向はトロントやバンクーバーなど大都市圏で特に顕著で、生活コストの負担が重くなっている原因の一つでもあります。
参照:OECD Economic Surveys: Canada 2025
都市・エリア別の現状
カナダの住宅不足は全国的な問題ですが、都市によって深刻度や状況が大きく異なるため、留学や引っ越し先を選ぶ際には、この差を知っておくことがとても大切です。
トロント | ★★★★★(非常に深刻) | トップレベルの高さ | 学生・移民が集中し、物件争奪戦が常態化 | CA$1,186 |
バンクーバー | ★★★★★(非常に深刻) | 全国最高水準の家賃 | 海外からの人気も高く、空室率が極端に低い | CA$1,340 |
モントリオール | ★★★☆☆(やや深刻) | 年々上昇傾向 | フランス語圏の中心都市のため、需要増加中 | CA$862 |
カルガリー | ★★★☆☆(やや深刻) | 比較的安いが近年上昇中 | 人口増加・経済成長で需要拡大中 | CA$855 |
オタワ | ★★★★☆(深刻) | 安定して高め | 政府関連雇用が多く、早めの家探し推奨 | CA$1,027 |
エドモントン | ★★☆☆☆(比較的安定) | 全国平均より抑えめ | 安定はしているが、今後の人口流入には注意 | CA$767 |
参照:May 2025 Rentals.ca Rent Report
留学生への影響とは?
カナダの住宅不足は、留学生の生活や渡航計画に大きな影響を与えています。人気の高い大学都市では学生寮の部屋数が限られており、新学期前にはすぐに満室になってしまうことも珍しくありません。学生寮に入れなかった場合はシェアハウスや民間賃貸を探す必要がありますが、空室が少ないため条件の良い部屋は早い者勝ちで埋まってしまい、住まい探しは年々難しくなっています。
都市部では月々の生活費が想定より数百ドル単位で増えることも多く、学費や教材費に加えて光熱費や交通費の見直しを迫られる学生も増えています。そのため家賃は留学全体の予算に直接影響し、生活の質や学業に集中できる環境づくりに大きく関わる重要な問題となっています。
また、現地に到着してから良い物件を確保するのは難しいため、多くの学生が渡航前にオンラインで物件探しや下見を進めています。ただし信頼できる情報を集めるのは簡単ではないため、不動産サイトや大学のサポートセンター、学生同士のコミュニティなどを活用していくことが鍵です。
したがって、情報をしっかり集めて早めに動けば、安心して暮らせる住まいを見つけることは十分可能です。留学生活をより快適にスタートさせるためにも、事前準備を怠らないようにしましょう。
これからの課題
政府の対応
カナダ政府は住宅不足を解消するために、移民や留学生の受け入れ数を見直し、住宅建設を増やす取り組みを始めています。建築の許可を早めたり、規制を緩和したりして、できるだけ早く住宅を増やせるように動いています。
大学や自治体の取り組み
大学や自治体も、学生寮や公営住宅を新しく建てる計画を進めており、学生や新しく移住してくる人が安心して暮らせる場所を増やすことを目標としています。
これからの見通し
実際、住宅が増えるまでには時間がかかるため、しばらくは今のような住宅不足が続くと考えられます。特にトロントやバンクーバーのような大都市では、家賃が高い状態が当分続く見込みで、住まい探しはこれからも大きな課題となるでしょう。
まとめ
カナダの住宅不足はすぐに解消できる問題ではなく、今後もしばらく続く長期的な課題といわれています。そのため、留学や渡航を考えている方は、早めに住まいの情報を集めて行動を始めることが大切です。
都市ごとに家賃や居住環境には大きな差があるので、計画段階からしっかり調べておくことで、渡航後の生活をスムーズにスタートできます。
「どの都市が暮らしやすいのかわからない」「家探しの進め方が不安」という方は、ぜひ無料カウンセリングをご活用ください。