長期留学した方が帰国時に目標としたい英語力とは?
国内外を問わず多くの企業で英語でのコミュニケーションが不可欠となっている現代において、「留学でどの程度まで英語力を伸ばし、それをどうキャリアに活かすか」は多くの留学生にとって重要なテーマです。グローバル化に伴い、求められる英語力も年々高くなる傾向にあるように感じ、これから留学する方々は、「どこまで英語力を伸ばすべきか..」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。ここでは、長期語学留学する場合、どの程度の英語力を目標とすべきか?について、解説していきます。
1. 留学で培ったものでもっとも役立ったものとは?
留学で得られるものは多岐にわたりますが、中でも仕事で最も役立つスキルは何だと思いますか?
結論から言うと、それは語学力です。
過去15年以内に海外留学を経験した20〜40代の方々を対象に行ったアンケート調査によると、22%もの留学経験者が”留学で培い、仕事に特に役立った力”として「語学力」を挙げています。 次に多かったのは「異文化理解能力・活用力」でした。
これは、仕事において海外の顧客や取引先と円滑なコミュニケーションを取る上で、活かすことのできるスキルであることが読み取れます。語学力の向上は自信にも繋がり、社内での意思疎通もスムーズになるため、結果として社内外問わず、信頼関係の構築にも役立ちます。
さて、ここで述べた語学力とは、留学を志す人の多くが目標に掲げる「英語力」を指します。
ですが、平均的な日本人にとって、ビジネスで通用するような満足のいく英語コミュニケーション力を習得するには、最低でも半年から1年間の集中的な学習が必要です。
また、その半年から1年間の留学には、そのための資金捻出や、大学の休学、社会人であれば一度退職するなど、少なからず時間的・経済的な「代償」が伴います。これほどの代償を払うからには、その経験に見合う「結果」を得たいと考えるのは当然のことでしょう。
では、その「結果」とは何でしょうか。
それは、留学で得た語学力や異文化理解能力を、その後の就職活動や転職活動において強力な「武器」として活用できるだけのスキルを持ち合わせたかどうかです。世界中の人々との出会いや多文化な環境で培われる異文化理解能力も、ビジネスシーンでの円滑なコミュニケーションや多様な視点を持つ上で非常に重要です。留学で得たスキルや経験を将来に活かせたのであれば、それこそが留学というキャリアで手にした素晴らしい「結果」と言えるのではないでしょうか。
2. 英語力の必要性
日本は日本に在籍する人々の9割以上が日本人で、日本語を使用しています。したがって、英語ができなくても生きていくことのできる国です。この恵まれた環境が、結果的に日本人の英語力、特にスピーキング力を伸び悩ませる大きな要因になっているのではないでしょうか。
ただ、そんな日本も、英語が必要不可欠な時代がすぐそこまで(すでに?)来ています。
特にビジネスシーンにおける英語の必要性は顕著です。
数十年前は英語を必要とする業界は航空業界やホテル業界、一部の商社、外資系企業などのみでした。しかし近年、海外とのやり取りなしに経営が成り立っている企業は極めて稀です。
例えば
・金融や銀行、証券などの職種では、英語力の有無によって年収に1.4倍ほどの差が生まれる
・海外出張や顧客対応のために英語研修を取り入れているという企業も多い
・優秀な人材の確保や社内活性化といった理由で、外国籍人材を積極的に採用している企業が年々増加傾向にある
・企画やマーケティング、教育の分野ではTOEIC865点以上などの高い英語力が必要になることもある
・楽天や資生堂のみならず、金融系ウェブサービスを提供する「マネーフォワード」でも、エンジニア組織の公用語を英語化にする計画を進めている
など、海外とのビジネス連携が緊密化していくなか、コミュニケーションツールとなる英語力の必要性は非常に高くなっています。
参照:
Daijob.com 独自調査『英語力と年収の関係』2024年度版
「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」 (2024 年 12 月調査)
Daijob.com SPECIALISTS『企業からのニーズを探る…「高い英語力」が求められる職種は何?』
note『日本の企業をもっと強くしたい。マネーフォワード、組織英語化への挑戦』
3. 就職・転職時に求められる英語力
留学でビジネスシーンにおいて求められる英語力を持って帰ってくることができれば、留学経験がより価値あるものになるということはおわかりいただけたのではないかと思います。
では具体的に就職・転職時に求められる英語力とはどのくらいの英語力なのでしょうか。
TOEICを採用基準にしている企業の一覧 | |
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TOEICスコア | 企業名 |
TOEIC900点以上 | 外資系エグゼクティブサーチファーム リソース・グローバル・プロフェッショナル・ジャパン株式会社 ジョンソン・エンド・ジョンソン(ファイナンス部) 韓国サムスン(採用部) |
TOEIC850点以上 | オーストラリア大使館(商務官) サムスン電子(事務系) 富士通(海外赴任) |
TOEIC800点以上 | 楽天株式会社 大阪ガス株式会社 野村不動産 住友不動産 エイヴィエルジャパン株式会社 日産トレーデイングジャパン株式会社(グローバル事業) |
TOEIC750点以上 | 株式会社ジェイティービー グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK) アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 (AWS) ジェネシス・システムズ・グループ・ジャパン株式会社 アイデックス ラボラトリーズ 株式会社 株式会社イーオン ファーストリテイリンググループ |
TOEIC700点以上 | 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(法務・商標・特許) 大阪ガス株式会社 ユニリーバ・ジャパンファーストリテイリング 日産自動車株式会社(新卒採用) ヤマト運輸(事務職) 武田薬品工業株式会社 日本IBM株式会社 ブリジストン(事務職) 資生堂 三菱電機株式会社(営業) マツダ株式会社 |
TOEIC650点以上 | アークレイ株式会社経営戦略(事業開発・経営管理) オリックス株式会社 タケモトピアノ株式会社 |
TOEIC600点以上 | 日立製作所(総合職) 全日本空輸株式会社 日本オラクル株式会社(セールス) 横浜ゴム株式会社(法務) |
TOEIC600点くらいでも大丈夫じゃん!と思う方もいらっしゃると思います。
残念ながら上記は、「足切り」されるかどうかのスコアの目安です。
例えば、2011年4月発行のプレジデントにこんなコメントがありました。
「新卒・中途に限らず、英語が本当に必要な仕事や部署はできる人しか採用しない。もちろん、TOEICの点数はあてにしない。あえてアドバイスするなら、TOEICが800点以上なければ履歴書に書かない方がいい。それ以下だと、外資に中途で入社する場合、印象が悪い。800点以上なら面接してみる気になるが、600点しかなければ英語はできないと考える。間違っても580点なんて絶対に書かないことだ。」
あぁ、厳しいコメントですね。
ただ、これが現実だと思います。
外資系企業だからじゃないの?と思われるかもしれませんが、先述した通り、これは2011年の記事の抜粋です。世界のグローバル化が急速に進む現代では、より厳しい現状が容易に想像できるはずです。
4. 長期留学した方が帰国時に目標としたい英語力
つまり、長期留学した方が帰国時に目標としたい英語力とは…
新卒・既卒・中途に関わらず、最低目標TOEIC800点
英語を使わない仕事に就くにしても、留学経験があって、TOEIC600点では、かっこもつきません。最低800点、できれば900点の大台を目指しましょう。
そして、留学したからにはTOEICのスコアだけではなく、実践的な英語コミュニケーション力を証明することが必要です。留学期間中のエピソードをもとに、スコアだけではなく実際にコミュニケーション力としての英語力を持っていることを証明できるよう、アルバイトやボランティア、できれば現地企業でのインターンシップなどに積極的に参加しましょう。
5. 結論
目指すはTOEIC800×実践的な英語コミュニケーション力!
結論をご覧いただきいかがでしたでしょうか。
今、TOEIC400点の自分には、そんな高得点はとても無理…と思った方!諦める必要はありません。
ワールドアベニューで留学された方のなかには、TOEIC400点から800点、渡航してたった4ヵ月間でTOEIC550点から720点と、渡航当初の英語力に関係なく、英語力を伸ばしている方が多くいらっしゃいます。
具体的な留学プランや語学学校などに関してはお気軽にご相談ください。