長期留学を考える大学生からの質問に答えてみた。
長期留学するなら社会人になる前の今(大学生時代)しかない!と考えている方も多いのではないでしょうか。ただ、大学生だからこそ、留学するうえでのお金のことや渡航のタイミングなど気になること、心配なことも多いはず。そこで今回は長期留学を考える大学生からよくいただく10の質問に答えてみました。
前提-長期留学ってそもそもどんな留学?
長期留学とは、一般的に4ヵ月以上の留学で、学生ビザやワーキングホリデービザを伴う留学を指します。
質問1. 長期留学する上でお金はどのくらいかかるの?
質問2. 英語力は低くても留学できる?
質問3. 留学のきっかけや目的は?
質問4. 短期留学?それとも長期留学?
質問5. 長期留学する上での生活はどうしてるの?
質問6. 長期で留学するならお勧めの国や都市は?
質問7. 長期留学するなら大学時代?それとも社会人になってから?
質問8. 長期留学は就活に不利?有利?
質問9. 長期留学で目標とすべき英語力は?
質問10. 大学生に人気の留学プログラムは?
質問1. 長期留学する上でお金はどのくらいかかるの?
長期留学の費用相場は、年間およそ300万円〜600万円です。費用に含まれるのは、学費、滞在費、航空券代、海外留学生保険、ビザ申請費用、留学エージェントのサポート料などです。実際の金額は、留学先の国や都市、プログラム内容によって大きく変わります。
大学生の留学では、多くの場合ご両親のサポートに頼ることになります。そのため、「少しでも費用負担を減らしたい」と考える方も多いでしょう。費用を抑える方法には大きく分けて2つあります。
1. 出費をできるだけ減らす
2. 現地で収入を得る
ただし、主要な英語圏では学費や生活費に大きな差はないため、現実的には「現地で収入を得る」方法が有効です。アルバイトが認められており、生活費の一部を現地で賄える可能性がある国としては以下が挙げられます。
費用の内訳やプログラム別の費用が気になる方は「大学生の留学費用を 国・プログラム別にまとめました」をご覧ください。また、ご自身の希望や条件で費用を計算できる留学費用シミュレーションもぜひお試しください!
質問2. 英語力は低くても留学できる?
はい、可能です。渡航前に英語力が低くても留学はできます。むしろ、英語力が低いからこそ長期留学をする価値があります。
筆者自身も、ほとんど英語が話せない状態で長期留学に挑戦しました。当初は「海外で生活できるのか」「語学学校の授業についていけるのか」と不安でいっぱいでした。しかし実際には、語学学校の先生やホームステイ先の家族がレベルに合わせて丁寧にサポートしてくれました。受け入れ体制が整っているプログラムであれば、安心して学び始めることができます。
渡航前に必要な英語力についてさらに知りたい方は、「留学渡航前に必要な英語力と留学の勉強成果を測る英語試験とは?」をご覧ください。
現代はAIやデジタル技術の発展により、国境を越えたビジネスや人材交流が加速しています。日本も少子高齢化や市場縮小を背景に、海外展開や外国人との協働が当たり前の時代に入りました。
英語力を持つ学生には、国内でもグローバル企業や外資系企業でのインターン、国際的なネットワーク構築など、多様なチャンスが広がっています。一方で、英語力不足は就職やキャリア選択の幅を狭める要因になります。社会人になってから十分な時間を割いて語学力を伸ばすのは難しいため、大学時代に英語力を磨き、将来の可能性を広げることがますます重要になっています。
質問3. 留学のきっかけや目的は?
留学のきっかけや目的は人それぞれです。ただし、具体的な目標を持っている人は意外と少なく、「これだ」という明確な理由がある人も多くはありません。多くの場合、留学を考え始めるきっかけは「漠然とした危機感」であるように思います。
例えば、
・将来の目標を明確に持つ同世代の学生と出会い、漠然と焦りを感じた
・就職活動で苦労する先輩を見て、自分の将来に不安を覚えた
・やりたいことが見つからないまま大学3年を迎えそうになった
・「これを頑張った」と胸を張れる経験がまだない
・友人が留学しているのを見て刺激を受けた
といった動機です。
もしかすると、周囲から「明確な目的もなしに留学するのは時間とお金の無駄だ」と言われることがあるかもしれません。しかし、こうした漠然とした危機感こそ、自分の人生における大切な“危険信号”なのです。このままでは「自分で選ぶ側」ではなく「誰かに選ばれるのを待つ側」になってしまうかもしれないという不安が、心の中で警鐘を鳴らしているのです。
大切なのは、立派で感動的な目的を持つことではありません。留学という選択が頭に浮かんだ時点で、それは自分の人生を見直すサインです。この機会に、これまでの人生、そしてこれからの人生において、大学時代の長期留学という経験がどのような意味を持つのか、ぜひ真剣に考えてみましょう。
留学の目的の立て方や考え方についてさらに知りたい方は、「留学の目的をしっかりと意識して留学を考えよう!」をご覧ください。
質問4. 短期留学?それとも長期留学?
大学生の留学でおすすめなのは、長期留学です。理由は大きく3つあります。①コストパフォーマンス、②出会い、③経験です。
1. コストパフォーマンス
留学には航空券代、学校の入学金や授業料、生活費など多くの費用がかかります。特に航空券代や入学金は留学期間に関わらず必要です。さらに短期留学は夏休みや春休みなど大学の長期休暇に集中するため、航空券代が高額になりやすいのが実情です。
例えば、1か月の短期留学でも50万〜80万円ほどかかります。一方、長期留学では次のような選択肢があります。
ワーキングホリデー:現地で働くことが可能で、1年間150万円〜というプランも現実的
語学学校に1年間通学:授業料・滞在費込みで400万〜600万円程度
1か月で50〜80万円をかけるのと、12か月で400〜600万円かけて「実践的な英語力+海外経験」を得られるのとでは、長期留学のコストパフォーマンスは圧倒的です。
2. 出会い
もちろん短期間でも意気投合して友達になれるケースはありますが、それは稀です。特に留学では言語の壁があるため、より関係を築くには時間が必要です。せっかく海外まで行って出会えた人たちと「知り合って終わり」ではもったいないでしょう。深い友情や信頼関係を築けるのは、やはり長期留学の魅力です。
3. 経験
短期留学でも密度の濃い授業で英語力を伸ばすことは可能です。しかし、ビザの規定により働くことは難しく、また滞在先の都市を離れて旅行する時間も限られます。長期留学だからこそ、アルバイトや旅行、異文化体験など「時間があるからできる経験」に挑戦できます。
短期留学が無意味というわけではありません。短い期間だからこそ得られる学びや気づきもあります。しかし、失うものが少ない大学生の時期だからこそ、ぜひ長期留学に挑戦し、より大きな成長の機会を掴んでいただきたいと思います。
質問5. 長期留学する上での生活はどうしてるの?
長期留学での滞在方法は大きく3つに分けられます。
・ホームステイ
・学生寮
・シェアハウス・シェアルーム
一つの方法にずっと滞在する人もいますが、多くの場合は「最初はホームステイや学生寮 → その後シェアハウス・シェアルームへ移動」という流れになります。
日本の大学生は、実家・学生寮・一人暮らしのいずれかで生活しているのが一般的です。ただし、その多くは親からの援助を受けて住まいや生活を整えています。本格的に自分で住まいを探し、生活費を管理するのは、社会人になってからという人も多いでしょう。
一方、留学生活ではお金や日常の生活管理をすべて自分で行う必要があります。親元を離れ、異文化の中で自分の判断で生活を築く経験は、自立を促す非常に良い機会となります。
それぞれの滞在方法の特徴や選び方について詳しく知りたい方は、「学校を選ぶのと同じくらい大切!?留学の滞在方法とは?」をご覧ください。
質問6. 長期で留学するならお勧めの国や都市は?
長期留学にお勧めの国は、オーストラリア・カナダ・ニュージーランドです。
主な理由は、留学制度が充実しており、目的や目標に合わせたプランニングが可能だからです。さらに、この3ヵ国は比較的治安が良く、安心して長期間の留学生活を送れます。
特にオーストラリアとニュージーランドでは、語学留学でもアルバイトができるため、勉強と仕事の両方を経験できるのも大きな魅力です(カナダはカレッジや大学に通う場合、アルバイトが可能です)。
各国のお勧め都市
オーストラリア:シドニー、ブリスベン
カナダ:トロント、バンクーバー
ニュージーランド:オークランド、タウランガ
都市の規模は異なりますが、いずれも都会的な生活と大自然の両方を楽しめるのが特徴です。さらに、多文化・多国籍の人々が集まる都市であるため、英語力だけでなく、異文化理解力や国際的な視野を養うことができます。
各国の詳細情報や留学プログラムについては、「留学したい国から選ぶプログラム」をご覧ください。
質問7. 長期留学するなら大学時代?それとも社会人になってから?
今、大学在学中で留学のチャンスがあるなら、大学時代に留学することを強くおすすめします。理由は大きく3つあります。
1. 新卒就活で留学経験を最大限に活かせる
大学卒業後、初めて入社する会社は、その後の職業人生に大きな影響を与えます。
日本では、新卒として入社した企業で社会人教育を受けられることが非常に重要です。しかし、中途採用で同じレベルの企業に入るのは難しくなります。
だからこそ、新卒カードを使える時期に、留学で得た英語力や経験を就活にぶつけるべきなのです。
2. 自分を見直す良い機会になる
社会人になってから「将来を探すために留学する」というのは現実的ではありません。退職して留学するなら、明確な目標や必要性が求められます。
一方で大学生の間なら、「自分の可能性を広げたい」「やりたいことを見つけたい」という理由でも問題ありません。
在学中に留学し、自分の将来を考えるきっかけにすることは、その後の納得のいく就職や人生につながります。
3. 大学生だから「失敗」も成長につながる
「失敗は成功の基」という言葉があります。失敗した経験から学び、次に活かせば、それは大きな財産になります。
社会人になってからの失敗は「いまさら何をしているの?」と受け止められることもありますが、大学生であれば違います。
学生時代だからこそ、思い切り挑戦し、失敗も含めて成長の糧にできるのです。
4年生からの留学を考えるあなたへ
「大学4年での留学は遅いのでは?」と不安な方も多いですが、就活に活きるプランやスケジュールは十分にあります。詳しくは実際のカウンセリング事例をご覧ください。
質問8. 長期留学は就活に不利?有利?
かつては「大学を1年間休学し、5年かけて卒業すること」がリスクと考えられていた時代もありました。しかし近年はグローバル化の進展により、大学生活の途中で休学し、自分の将来や価値観を磨くために留学することへの評価が大きく変わりつつあります。
2024年に文部科学省と日本学生支援機構が実施した「海外留学に関する意識調査」では、次のような結果が出ています。
・留学経験者の 93.7% が「就職活動に良い影響があった」と回答
・採用担当者の 69% が「留学経験者の採用割合が増えている」、78% が「今後も積極的に採用したい」と回答
・留学しない理由については、「留年・休学したくないから」と答えた学生が約70%であるのに対し、「経済的な余裕がないから」と答えた学生は 84% にのぼった
この結果から、企業は海外経験や国際的な視野を持つ人材を高く評価していることが分かります。学生側も「休学」そのものに抵抗は少なく、むしろ経済的な事情が最大のハードルとなっていることが明らかになりました。
つまり、大学を1年休学してでも海外で過ごす経験は、挑戦心・柔軟性・行動力を示せる大きな強みです。今は「休学した」という事実ではなく、その期間に何を学び、それをどう活かしたかが評価される時代へと変わってきています。
関連情報
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留学経験を就職やキャリアにどう活かすかはこちら
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質問9. 長期留学で目標とすべき英語力は?
質問8で回答したように大学を休学して留学することは、現在においてはキャリア上“マイナス”ではなく、むしろ価値ある経験と見なされています。しかし重要なのは、「何をしてきたのか」「何を得て帰ってきたのか」という経験の中身です。
JASSOの「平成23年度 海外留学経験者追跡調査」によると、
・留学後に「目的を十分・かなり達成した」と答えた人は 59.2%
・現在の仕事において留学が「非常に役立っている」「役立っている」と答えた人は 54.3%
・今後の人生において「役立つ」と答えた人は 93.1%
という結果が出ています。
さらに留学で得られた成果としては、最も多いのが 「視野の広がり」 であり、次いで 「語学力」「異文化・国際感覚」「価値観や考え方の変化」 が挙げられています。
これらの結果からも、留学は語学力の習得にとどまらず、多面的な成長につながることが明らかです。
したがって、留学経験によって採用担当者の期待値が高まることを踏まえ、英語を使う仕事を目指すのであれば、TOEIC®800点以上、できれば900点以上を取得して帰国するのが望ましいでしょう。
▼こちらの記事も参照
長期留学した方が帰国時に目標としたい英語力とは?
質問10. 大学生に人気の留学プログラムは?
大学生に人気の留学プログラム
1位 語学留学(長期留学)
特徴:
・語学力をしっかりと身につけたい大学生・社会人に人気
・現地でアルバイトやボランティアに挑戦できるビザプランもあり
・滞在方法はホームステイ・学生寮・シェアハウスなど自由度が高い
・単なる英語習得だけでなく、異文化理解や自立心、海外生活スキルを磨けるのも魅力
詳細はこちらから→
2位 海外ビジネスインターンシップ
特徴:
・オーストラリア現地企業で業務を経験
・英語を「使う環境」でビジネススキルを習得
・大学生・新卒者に特に人気で、就職活動やキャリア形成に直結
・国際的なネットワーク作りや、グローバルな働き方を体感できる貴重な機会
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参照記事:
・ビジネス留学とは?
・海外でのキャリア構築を目指すなら!
3位 ワーキングホリデー
特徴:
・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・イギリスなど提携国多数
・現地でのアルバイトや長期滞在をしながら語学学校にも通える
・留学費用を抑え、自立して海外生活を送りたい方に最適
・語学+仕事+旅行を組み合わせられる自由度が最大の魅力
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