ビジネス留学とは、ビジネスに関連する授業を受けたり、実際にビジネス現場で働いたりする留学プログラムのことです。他の学生との差別化をはかり、就活を有利に進めたいという方に人気を集めています。
一言でビジネス留学といっても、ビジネススクールで経営学を学ぶMBA留学から、海外の大学で学部受講ができるスタディアブロードやエクステンション、専門学校で実践的なスキルを磨く専門留学や海外の企業で仕事をするインターンまであります。それぞれの留学プログラムによって、特長や参加するメリット、渡航におすすめの国や注意点がかわります。そこで今回はビジネス留学の種類や帰国後のキャリア例、ビジネス留学で注意しなければならない点などを紹介いたします。
ビジネス留学とは▼ |
ビジネス留学の種類 / 国▼ |
帰国後のキャリア例▼ |
ビジネス留学の落とし穴▼ |
まとめ▼ |
ビジネス留学とは
ビジネス留学とはビジネスに関連する内容を学んだり実際にビジネス現場で働いたりする留学全般を指し、短期間でビジネス英語の習得を目指す語学留学からMBA留学を含む大学院留学、海外の企業で働く経験を積むインターンまで、幅広い留学プログラムを含みます。留学経験を帰国後の就職活動や転職活動で評価されるものにしたいという方向けの留学で、近年人気が高まってきている留学プログラムの一つです。海外でアルバイトをするだけ、英語を勉強するだけでなく、英語でプラスアルファの専門知識を身につけたり本格的な就労経験経験を積むことができるため、強みをつけたい方にピッタリです。
今回は、主に大学生向けにビジネス留学にはどんなものがあるのか、留学先の国や期間、費用、注意すべきことなどを紹介していきます。
ビジネス留学の種類 / 国
まずはビジネス留学にはどのようなプログラムがあるのか、その概要とそのプログラムに参加できる国についてお伝えします。
海外インターンシップ / 国: カナダ、オーストラリア、アメリカ
スタディアブロード ・ 名門大学エクステンション(ビジネス専攻))/ 国: オーストラリア、アメリカ
専門留学(インターンあり)/ 国: カナダ
専門留学(インターンなし)/ 国: オーストラリア、カナダ
語学留学(ビジネス英語、TOEICやTOEFLのハイスコアを取得)/ 国:アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン
MBA留学・大学院留学 / 国: アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ
MBA(Master of Business Administration)留学では、海外の大学院でマーケティング・戦略、会計・財務、人事組織などを学びます。大学院の修士課程に当たることから、卒業するまで一般的には2年間、短いものでも1年間はかかります。
MBA留学のメリット以下のような点が挙げられます。
・世界で通用する経営力を身につけることができる
・世界中から集まった優秀なビジネスパーソンと出会うことができる
・海外就職・起業等キャリアの幅を広げることができる など
MBAの授業ではグローバルな展開をみせる企業の幹部や起業家を招いて直接意見交換できる場が設けられることも多いため、第一線で活躍できる人材になりたいという方にはピッタリの留学プログラムといえます。
一般的にMBA留学の多くは社会人経験が求められます。なかには社会人経験がなくても入学できるコースを提供している大学院もありますが、あまりお勧めできません。なぜならMBAは就労経験を積んだうえで、さらに高いキャリア(ビジネスリーダーや起業家など)を目指すためのコースだからです。実践経験を積んでいない大学生にとってMBAの授業についていくことは、非常に難易度が高いといえるでしょう。
もちろん、大学在学中に起業されていたり、インターンシップなどを介して一定の経験を有していたりする方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめのMBA留学先はアメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダです。なかでも大学卒業後、就労経験を積まずに入学できるMBAを開催している大学院が多いのはオーストラリアです。例えばオーストラリアカソリック大学、シドニー工科大学、西シドニー大学など、複数の大学で就労経験がない方でも就学できるMBAコースを開講しています。
参照:オーストラリアでのMBA留学まとめ →
海外インターンシップ / 国: カナダ、オーストラリア、アメリカ
海外インターンシップは、海外の企業で本格的な就労経験を積むことができるプログラムを指します。
アメリカ – J-1ビザを利用した有給インターン
インターンシップで一番代表的なものは、アメリカのJ-1ビザを利用した有給インターンです。J-1ビザにはいくつか種類がありますが、アメリカの企業で働く場合、「トレーニー」と「インターン」のいずれかを利用します。
「トレーニー」は、短大・大卒以上の方は1年以上の就労経験が必要なため、大学生は該当しません。一方で「インターン」の申請資格はアメリカ国外の大学生である、または新卒1年目で社会経験がない30歳までであることです。つまり現役大学生の方でも利用することができます。
アメリカで有給で働けるという夢のような制度ですが、乗り越えなければならない壁も多くあります。例えば、「インターン」の制度を利用する場合、研修先企業の業種は大学の専攻が関連していることを条件としています。現在学んでいることと将来目指しているキャリアに関連性がない場合、当制度を利用することはできません。また、日本にいる間にアメリカの企業と面接を受け、内定をもらう必要があることから、高い英語力は必須です。
先述している通り大学生でも利用できる制度はあるものの、社会人向けの制度と言えるかもしれませんね。
参照:交流訪問者ビザ(J1ビザ)について詳しくはこちらをご参照ください
ワーキングホリデー制度を利用したインターン
近年注目を集めているのが、ワーキングホリデー制度を利用したインターンシップです。ワーキングホリデービザはJ-1ビザと比べて発給数が多いうえに申請条件も易しいため、大学生でも挑戦できるものも多くあります。1年間大学を休学して海外インターンにチャレンジしたいという方にはぴったりといえるでしょう。海外インターンシップをするのにおすすめの国はカナダとオーストラリアです。カナダとオーストラリアは企業数も多く、ワーキングホリデービザが比較的取りやすいことが理由です。
参照:
カナダ ワーキングホリデー情報はこちら→
オーストラリアでの海外ビジネスインターンシップ・プログラム情報はこちら→
ただやはり就労経験がないと、書類の整理やデータ入力など雑務的な仕事ばかりになる可能性は大いにあります。なかにはインターンシップを謳っているものの、内容はただのアルバイトというものもあるので注意が必要です。例えば外資系ホテルでのインターンシップと聞いていたのに、蓋を開けるとベッドメイキングの仕事だった、ホテル内のレストランのキッチンのアシスタントだったということは多々あります。インターン先の企業を探すときは、どのような仕事を任せてもらえるのか、仕事内容をしっかり確認するようにしましょう。
またいずれにしてもワーキングホリデー制度を利用したインターンシップも、J-1ビザのインターン同様、大学での専攻と関連性のある職種・業種であることが前提となります。そのため、専攻と関連性のない業界に就職したいと考えている方にはあまり向いていません。大学生でどうしてもインターンしたいという方は、「専門留学(インターンあり)」をご覧ください。
スタディアブロード ・ 名門大学エクステンション(ビジネス専攻))/ 国: オーストラリア、アメリカ
スタディアブロードとエクステンションはいずれも海外の大学で学部受講できる留学です。
スタディアブロードとは
日本の学校に通う大学生対象の海外留学プログラムです。海外の大学の正規課程に1学期または2学期(1年間)に通い、オーストラリアの大学で単位を取得することができます。
スタディアブロードの最大の魅力は、ネイティブ環境で本格的にビジネスを学べる点です。ネイティブや英語が堪能な留学生と肩を並べてプレゼンをしたり議論したりすることができるため、日常でのコミュニケーションはもとよりプレゼンスキルや発言力も磨くことができるでしょう。
また、海外の大学は教授だけでなく、企業の幹部や専門家などその業界の第一人者を呼び授業を行うことが多々あります。参加することで、日本とは全く異なるビジネス観を吸収できるはずです。さらに、プログラム修了後にはCertificate(修了証)を得ることができるため、履歴書に書くこともできます。
参照:【まとめ】オーストラリアでのスタディアブロード情報 →
エクステンション(エクステンションコース)とは
大学公開講座のことです。大学によって社会人向けや大学卒業者向け、留学生向けなど様々なコースを提供しています。留学生向けのエクステンションには、大学の授業を履修して単位を取得できるものがあります。
特にエクステンションはカリフォルニア州立大学など名門大学でも受講されていることが多いため、受講することで就活でアピールすることができるはずです。また、スタディアブロードと同様、プログラム修了後Certificate(修了証)を得ることもできます。
魅力がたくさんあるスタディアブロードとエクステンションですが、参加するにあたって乗り越えなければならない壁もあります。
一つ目が費用面です。
例えばオーストラリアの大学のスタディアブロードに参加する場合、トータルで430〜510万円程度(年間)、アメリカの大学のエクステンションの場合は、幅が広く、トータルで210〜770万円程度(年間)かかります。渡航前にある程度まとまった費用を準備するようにしましょう。
二つ目が条件面です。
スタディアブロードやエクステンションに参加する場合、英語で英語の授業を受けることになるため、入学時に高い英語力が求められます。大学やコースによっても異なりますが、IELTS6.0〜6.5/TOEFL iBT 70〜90程度の英語力が必要なため、渡航前からかなり英語力を伸ばしておかなければなりません。英語力が規定に満たない場合でも、例えば、最初の半年間は大学付属の語学研修機関で英語を学び、必要なレベルに到達、修了テストに合格することができれば、追加の英語スコア提出なしで、残りの半年間をスタディーアブロードやエクステンションプログラムに参加することが可能です。
また、スタディアブロードやエクステンションは、入学時期が限られてしまうという問題もあります。私立の語学学校の多くは毎週月曜日入学を受け入れているので、希望に合わせて渡航することが可能です。一方、スタディアブロードやエクステンションは年に2回、多くて4回程度とかなり限られます。入学時期に合わせて早め早めにスケジュールを立てて置く必要があることを覚えておきましょう。
このようにスタディアブロードやエクステンションは柔軟性が乏しい留学プログラムであるため、自分の状況や希望が大学の条件に合うかどうかの見極めが必要です。
スタディアブロードやエクステンションを希望する方におすすめの国は、アメリカもしくはオーストラリアです。アメリカはエクステンションが盛んなため幅広い選択肢の中から大学やコースを選ぶことができるでしょう。また、オーストラリアでのスタディアブロードも、名門大学で英語力と専門知識を学べるのでおすすめです。
専門留学(インターンあり)/ 国: カナダ
英語で専門知識を学習することができる専門留学は、大学生から注目を集める留学プログラムの一つです。ビジネスの知識を身につけられるだけでなく、授業中に行われるディスカッションやプレゼンテーションなどを通して、英語での発信力を磨くことが可能です。
なかでもカナダでのCo-op(コープ)留学は代表的なプログラムといえます。
Co-op(コープ)とは、学生ビザのなかで有給インターンシップに挑戦できる留学制度のことで、主にカナダのカレッジ(日本の専門学校や短大のような教育機関)で提供されています。
Co-op(コープ)留学の最大の魅力は、ビジネスの勉強をしたうえで関連する企業で有給でインターンシップができる点です。企業でのインターンを通して、学んだ単語や知識をアウトプットすることができるため、飛躍的な英語力の向上が期待できます。また、カレッジでの学習期間中はアルバイト可能という点も特徴的です。日本の大学生活同様、勉強とアルバイトを並行することができるので、メリハリをつけて生活することができるでしょう。
Co-op(コープ)留学への参加には一定の英語力は求められますが、前述のMBA留学やスタディアブロードと比較すると難易度は低いです。コース修了後はCertificate(修了証)も発行されるので、就活にも活かしやすいです。
選択する専門学校やプログラム、州によって異なりますが、IELTS5.5以上が推奨されており、9ヶ月間から2年間で渡航される方が多いです。こちらもコースや時期によって異なりますが、ワールドアベニューが提携する人気カレッジの費用は約7,600ドル〜13,000ドルとなっています。
参照:カナダの提携カレッジ一覧
Co-op留学がMBA留学よりも挑戦しやすい理由
①入学規定
そもそも、MBA留学の場合、最終学歴として大学卒を求められることが一般的なため、休学しての留学ではなく、卒業してからの挑戦が必須となります。一方、Coop留学の場合、求められる学歴は高卒なため、休学しての留学も可能です。次に、英語力について、MBA留学の場合、 IELTS6.0以上と高い英語力が求められるのに対し、Coop留学の場合はIELTS5.5相当で入学が可能であり挑戦しやすいことがわかります。
②費用
MBAより学費が安く、かつカレッジのカリキュラムを修了した後にはフルタイムで有給インターンに参加し生活費を賄うことが可能です。よって、費用面でもMBAより挑戦しやすいことがわかります。
③留学期間
MBA留学の場合の留学期間は短い場合でも1年半、通常2年間ほどかかり、加えて、語学力が入学規定に満たない場合、その期間も追加されます。一方で、Co-op留学は数ヶ月間から1年間、長くても2年間程度で参加できるプログラムのため、比較的短期間で効率的に専門知識と海外での実務経験を得ることが可能です。
ただ、Co-op(コープ)を取り扱っている教育機関は私立のカレッジが多く、その大半が留学生向けです。クラスメイトのほとんどが留学生ということも往々にしてあるので理解しておきましょう。またビジネスの勉強に加えてインターンに参加すると留学期間が長くなりがちです。英語力が満たない方はさらに語学研修も必要なため、休学期間内に留学プログラムを終えられるか注意しなければなりません。Co-op(コープ)留学にチャレンジできる国はカナダです。ビジネスの勉強に加えて実践的なインターンにも参加したいという方は検討してみましょう。
専門留学(インターンなし)/ 国: オーストラリア、カナダ
一定の英語力を有する大学生に人気の留学は専門留学です。専門留学は私立の専門学校から州立の教育機関まで、様々な場所で受けることが可能です。
例えば、オーストラリアのTAFE(テイフ)と呼ばれる州立の教育機関であれば、最短半年からCertificate(修了証)を取得できます。
コースやレベル、専門分野や学校によって英語レベルや費用も異なりますが、一般的に以下が目安になります。
コース | 英語力 |
---|---|
Certificate III / IV | IELTS 5.5 (各バンドスコア 5.0以上) |
Diploma / Advanced Diploma | IELTS 6.0 (各バンドスコア 5.5以上) |
Associate Degree / Bachelor Degree | IELTS 6.0〜6.5 (各バンドスコア 5.5〜6.0以上) |
※上記はあくまでビジネス関連のコースの場合であり、医療・看護・教育など特定の分野においては入学規定の英語力がIELTS6.5以上となる場合もあります。
専門留学のメリットはMBA留学やスタディアブロードなどと比較し、リーズナブルなものが多い点です。例えば、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州のTAFEで半年間のCertificate IV in Businessを受講する場合、授業料はAUD7,830〜8,050となり、英語力の入学規定はアカデミックIELTS 6.0(各バンド5.5未満なし)となります。
参照:TAFE NSW Course Fees
また、カナダのVGC International Collegeで半年間のDiploma of Business Comunicationsを受講する場合はCAD9,700となり、英語力はアカデミックIELTS 5.5または、TOEFL iBT 46、Duolingo DET 95のいずれかを満たしている必要があります。
参照:Diploma in Business Communications – VGC
さらに学校によっては一般的なビジネスだけでなく、マーケティングやデザイン、プログラミング、インターナショナルビジネスなども開講しているため、将来の進路に合ったコースを選択することができるでしょう。
「インターンなし」の留学プログラムではあるものの、学生ビザでも就労可能な国、例えばオーストラリアであれば、自分でインターン先を探すことも可能です。
インターンなしの専門留学でおすすめの国は、オーストラリアもしくはカナダです。特にオーストラリアはカナダと異なり、専門コースで勉強している期間だけでなく、語学研修中もアルバイトをすることができます。費用を抑えながら専門的な勉強をしたい、また自力でインターンシップ先を探したいという方にはピッタリな留学プログラムといえるでしょう。
参照:オーストラリアでの専門留学情報まとめ →
語学留学(ビジネス英語、TOEICやTOEFLのハイスコアを取得)/ 国:アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン
語学留学は読んで字のごとく、英語で英語を勉強する留学プログラムです。先述の留学プログラムのようにビジネスの勉強をすることは難しいですが、その分英語に焦点を当てて学ぶことができます。
語学学校によってはビジネス英語コースや、TOEIC・IELTS・TOEFL・ケンブリッジ英語検定などの試験対策コースを開講しているところがあります。これらのコースを受講することで、TOEICやTOEFLなどでハイスコアを取ることを目指すことができます。
興味のある企業が一定の英語力を求めていたり、希望している業種・職種で働くには英語力が必要だったりする場合、スコアを提出することでアピールすることができるでしょう。
また英語力に自信がないという方にとっても語学留学はおすすめです。語学学校は英語力初級の方のために一般英語コースを開講しています。基礎から学びなおし、徐々に英語力を伸ばして、ビジネス英語コースや試験対策コースへ進むということができるので、徹底して英語に向き合いハイスコア取得を目指せるはずです。
語学留学は主要英語圏(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンなど)であれば、どこでも参加することが可能です。目的や目標に合わせて渡航先を選びましょう。
近年は、費用を抑えつつ短期集中で英語を学びたい方のために、フィリピンでの語学留学も選択肢の一つとして挙げられます。フィリピンの語学学校は、英語圏と比べて学費や滞在費を大幅に抑えられるのが大きな魅力です。さらに、マンツーマンレッスンが中心のため、グループレッスンと比べ、自身の弱点や苦手な部分に重点をおいて勉強することができ、より効率的に英語力を伸ばすことができます。
いずれにしても、ビジネス英語コースや試験対策コースは、入学するのに一定の英語力(IELTS4.0〜5.5程度)を求められるため、注意しましょう。
参照:各国の語学留学情報まとめ →
帰国後のキャリア例
ビジネス留学を経験した大学生は、様々な進路を選択されています。例えば、貿易関係やIT関係、エアライン業界や旅行業界など幅広く、日系企業から外資系企業まで様々です。
ビジネス留学のメリットの一つとして、キャリアを深く考えるきっかけになるという点が上げられます。授業で実際にビジネスに関する学習やロールプレイ、ディスカッションなどを行うことで、今まで興味のなかった仕事に興味を持ったという方も少なくありません。また世界中から集まった、学習意欲の高い学生とかかわることで刺激を受けることもできます。
ビジネス留学を通して、将来のキャリアや目標、それを叶えるために相応しい業界や業種、企業を見極める力をはぐくみましょう。
ビジネス留学の落とし穴
ここまでビジネス留学のメリットをお伝えしてきましたが、参加するにあたって注意しなければならない点もあります。ここでは大きく3つ、あらかじめ理解しておくべきことを紹介します。
一定の英語力が求められる
ビジネス留学の種類 / 国でもお伝えした通り、ビジネス留学の参加には一定以上の英語力が求められます。
例えば、MBA留学の場合はIELTS 6.5/TOEFL 86以上が、スタディアブロードやエクステンションの場合はIELTS 6.0/TOEFL 70以上のスコアの提出が入学の条件のひとつとなります。専門留学は求められる英語力の条件がやや下がりますが、それでも IELTS 5.5/TOEFL 70以上が必要です。
ただし、必ずしも渡航前に既定のスコアをクリアしなければならないというわけではありません。大学や大学院、専門学校や語学学校の多くでは、英語の入学規定を満たさない方のために英語研修コースを開講しています。そのコースを一定以上の成績で卒業することで、IELTSやTOEFLなどの公式スコアを提出することなくビジネスコースに進むことができます。
英語力にあまり自信がない方にはありがたい制度ですが、もちろんリスクもあります。
例えば英語研修を経てインターンに進む方法や、英語研修を経てビジネススクールに進む方法で渡航した場合、一定期間内にインターン開始やビジネススクール入学に伴い必要な英語要件を満たさなければなりません。この要件を満たせない場合、インターンやビジネススクールに進むことができないため、ただの語学留学に変わってしまいます。他にも、語学留学でビジネス英語や試験対策コースに英語規定ギリギリで入学した場合、授業内容の理解や実践的なコミュニケーションでつまずいてしまう可能性もあります。
ビジネス留学を検討している方は、日本にいる間にできる限り英語力を伸ばしておきましょう。
ー ビジネス留学参加に求められる英語力 ー
MBA留学: IELTS 6.5/TOEFL 79以上
スタディアブロード・エクステンション: IELTS 6.0/TOEFL 60以上
インターンシップ: IELTS 5.5/TOEFL 46以上
専門留学・Co-op留学: IELTS 5.5/TOEFL 46以上
語学留学(ビジネス英語・試験対策コース): IELTS4.0/TOEFL 30程度
※総合スコアだけでなく、各セクションごとに最低点数を設けている場合もあります。
入学に必要な英語力は、学校やコースによって大きく異なるため、事前に確認しておくことが大切です。詳細については、ぜひワールドアベニューの無料留学カウンセリング、またはLINEにてご質問ください。
「インターン」には注意
海外インターンシップというと、その言葉の響きから就活に活きる、特別な経験を積めると考える方も多いと思います。たしかに海外の企業で働くことができるのは魅力的です。ただし、想像するような仕事ができるわけではないと、あらかじめ理解しておく必要があります。
そもそも日本で社会人経験を積んでいない大学生が、海外で急に即戦力として働けるでしょうか。正直かなり難しいと言わざるを得ません。ましてや英語で研修を受け、ミーティングに参加し、取引先やお客様の要望や質問に答えなければならないのです。海外の大学や大学院で数年間ビジネスの勉強をしているならまだしも、1年間の留学でそのレベルまで英語力とビジネススキルを引き上げるにはかなりの努力が必要です。だからこそ研修時間が短くすみ、お客様とトラブルを起こすこともない、内勤の仕事を企業がインターン生に与えるのは至極当然のことといえます。
また海外の企業では特に自分を売り込む、自分から仕事を取りに行くという姿勢が非常に大切です。仕事を与えられるのを待っているだけでは、書類整理やデータ入力だけでインターンが終ってしまいます。自ら率先して動く、やれることを探して提案するなど、積極的にアピールして任せてもらえる仕事を増やしましょう。むしろインターンは、実用的なビジネス英語力を伸ばせる場所と考えておく方がいいかもしれません。
参照:海外インターンをするメリット・デメリットと就活での活かし方 →
「ストーリー」をもつ
ビジネス留学に参加するにあたって、「ストーリー」をもっておくというのは重要です。ここで言うストーリーとは、将来のキャリアを具体的にイメージし、それを実現するにはどのようなスキルが必要で、そのスキルをどうやって留学中に身につけるのかを考えておくということです。
留学生活はあっという間に終わります。帰国した大学生を待ち受けているのは就職活動です。履歴書を作成する段になって、アピールできる経験を積めてない…となっては元も子もありません。
就活で留学経験を活用するには、どんな経験を積みスキルを身につけるのか、留学前にしっかり計画を立てておきましょう。もちろんビジネス留学に参加することで、希望する業界や業種が変わることは多々あります。しかしその場合でも、しっかり経験を積んでおけば、活かせるエピソードがあるはずです。
またある程度明確な目標がないと、志半ばで挫折してしまう可能性もあります。特にMBA留学やスタディアブロード・エクステンションの場合、膨大な課題、事前学習、英語でのプレゼンやディスカッションは避けて通れません。将来の目標を明確にすることで、困難を乗り越えることができるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
一言でビジネス留学といっても様々なプランがあることがお分かりいただけたかと思います。留学プログラムごとにメリットや注意点が異なります。もう少し詳しく知りたいという方は、お気軽に無料留学カウンセリングをご活用ください。サポート経験豊富な留学コンサルタントが、あなたにぴったりの留学プログラムをご提案します。皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしています。