語学留学で費用を節約する方法
留学を考える上で避けては通れないのが「費用」の問題ですよね。私も留学カウンセリングをしていて、お客様よりご質問・ご相談いただくトップ3の1つが「費用」についてです。
最近はインターネットで「留学 費用」なんて検索すると、「0円留学」とか、「格安留学」なんて文字がたくさん目に飛び込んできます。ただ、実際よく読んでみると当然「0円」ではなかったり、「格安」と謳ってはいるものの、ものすごい治安の悪い地域での留学だったり……。「安さの裏」に潜むものを見てしまうと、「安ければいい」とも言い切れないところがあるのでしゃないでしょうか。
そこで今回は、「いい留学をしたい!」だけど「できれば費用も抑えたい!」そんな方に、語学留学で費用を節約する方法をご紹介していきます。
1. 何にお金がかかるのか整理しよう
まず、1年間語学留学すると仮定した場合にかかる費用を大きい順(高い順)に見ていきましょう。
第1位:生活費用
第2位:語学学校関係費用(入学金、教材費、学費)
第3位:海外留学生保険
第4位:航空券代金
第5位:留学エージェントのサポート諸費用
第6位:ビザ申請諸費用
語学留学にかかる費用は、留学先の国や都市、通う語学学校のレベル、さらには現地での収入の有無などによって大きく変わります。そのため、お客様から「1年間語学留学をするとどのくらい費用がかかりますか?」と聞かれた場合、私たち留学コンサルタントは「300万円から600万円です」と幅をもたせてお答えするしかありません。「そんなに差があるの?」と驚かれる方も多いですが、希望条件や滞在先の環境によって、費用が大きく変わるのは当然のことなのです。
なかでも、最も多くの費用を占めるのは生活費です。アメリカやイギリスの大都市に滞在する場合、生活費は月25万円程度が目安となり、年間では300万円ほど必要です。さらに外食や旅行などの交際費を加えると、年間で350万円を超えることも珍しくありません。
次に大きな負担となるのは語学学校に関する費用です。入学金や教材費もありますが、なかでも最も高額なのは学費です。主要英語圏の質の高い学校であれば、月20万〜30万円が一般的で、1年間で240万円以上かかる計算になります。比較的物価が低く、留学費用を抑えやすいイメージのあるフィリピンでも、学費は月10万円〜20万円程度が相場です。国や都市に関係なく、語学学校にかかる費用は決して小さくありません。
一方で、3位以下の海外留学生保険や航空券代、留学エージェントのサポート費用、ビザ申請費用などは選ぶプランや渡航先によって金額が異なりますが、全体の費用に占める割合はそれほど大きくありません。たとえば、数万円安い保険プランを選んだり、航空券を数万円安く購入したりしても、留学全体の費用に与える影響は限られます。
つまり、留学費用を抑えるには、最も割合の大きい「生活費」と「語学学校費用」を工夫することが何よりも重要だということです。都市選びや学校選びを工夫し、滞在スタイルを見直すことが、総費用の大幅な節約につながるのです。
では、語学学校の費用や生活費を節約するためにはどのような方法があるのでしょうか。
2. 語学学校の学費を抑えるポイント
ときどき「もっと安い語学学校を紹介してください」というご要望をいただくことがあります。
正直なところ、留学コンサルタントとしてはこの質問に少し苦々しい気持ちになることがあります。なぜなら、ほとんどの場合「語学学校の費用=学校の質」だからです。
私自身、10年以上この仕事をしていますが、やはり学費の高い学校にはそれだけの理由があると感じます。
学費は先生の質や学校設備の充実度に直結しており、超格安の学校で「先生の質も高く、設備もきれいで快適」というケースはまずありません。
中には「学校の質を維持するため、絶対に安売りはしない」と明言している学校もあるほどです。
とはいえ、質の高い学校にできるだけ安く通う方法を3つご紹介します。
1つ目は、特別割引の機会を最大限利用する
2つ目は、決めた期間は最初から最大限通う
3つ目は、物価の安い国で学ぶ
1.特別割引の機会を最大限利用する
先述したように品質維持のため「安売りはしない」と断言している語学学校があります。
ただ、そんな語学学校でも時折、特別割引を実施することがあります。特に語学学校がひしめく激戦区、例えばアメリカのロサンゼルスやニューヨーク周辺、カナダのバンクーバー、トロント周辺、オーストラリアのシドニー周辺などの場合、質の高い語学学校が数多く点在しています。そういった地域にある語学学校はいかに質が高くとも、生徒数がやや減少する時期があります。そういった時期に期間限定、またいくつかの条件を踏まえ、学費の割引を行うことがあります。期間限定となることが多いため、割引時期など逃さないようにしましょう。
また、希望の渡航時期や学費の支払い可能時期などによっても利用できる割引が異なるため、詳しくは留学カウンセラーにご相談ください。
2.決めた期間は最初から最大限通う
語学学校は、短期間で通うよりも長期間で通った方が、週単価の学費が安くなります。
例えば、4週間通う場合、1週間の学費が400ドルで合計1,600ドル。同じ語学学校に12週間通うと週単価が350ドルで合計4,200ドル。当然、トータルでかかる費用は上がりますが、週単価、月単科で見たときには割安となります。どうせ同じ語学学校に12ヵ月間通うのであれば、4週間毎で申込するのではなく1年間まとめて申込してしまった方が、節約になるでしょう。
3つ.物価の安い国で学ぶ
留学費用を抑える方法の一つとして、物価の安い国を選ぶことが挙げられます。欧米諸国への留学は授業料や生活費が高額になりやすく、費用面でハードルを感じる方も少なくありません。アジア圏や中南米など、物価が比較的安い地域を選ぶことで総費用を大幅に削減できます。特にフィリピン留学は、マンツーマンレッスンが充実しており、短期間で集中的に英語を学べる環境が整っているため人気です。授業料や宿泊費、食費が主要英語圏に比べて抑えられ、コストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。ただ、近年は円安の影響もあり以前ほどの「格安感」は薄れてきているため、為替や現地物価、滞在期間を踏まえた計画が必要です。それでも、目的や学習スタイルによっては、費用を抑えつつ質の高い学習機会を得られる魅力的な選択肢であることは変わりません。
好きな都市、興味のある学校などを選択していくだけで簡単に見積を作成いただけます。
3. 生活費を抑えるポイント
生活費用を抑えるためには大きく2つの方法があります。1つ目は出費を抑える方法、2つ目は現地で収入を得る方法です。ダイエットと一緒ですね。体重を減らすためには食べる量を減らすか運動をするか、いずれかという話です。
出費を抑える方法のひとつに、物価の安い地方や発展途上国で学ぶという選択肢があります。ただし、極端に田舎では教育水準が十分でない場合があったり、発展途上国では生活環境に不安があったりと注意が必要です。たとえば、フィリピン留学は「格安留学」として人気を集めていますが、治安への懸念が高まったことで語学学校はセキュリティを強化し、警備や設備の充実に伴い学費が上昇しました。そのため、以前ほどの“安さ”の魅力は薄れつつあります。一方で、このような費用の高騰によって、24時間体制の警備や門限、監視カメラなどが整備され、安心して学べる環境が整ってきているのも事実です。
注目すべきは現地で収入を得るという方法だと思います。
収入を得ることによってすり減っていく貯金額を眺めながらひもじい思いで生活をする必要はありません。収入があることで生活費を抑え、全体の留学費用を抑えることができるだけではなく、心にゆとりを持って留学生活を送ることができます。
語学留学で収入を得ることができるのは、オーストラリア、ニュージーランドです。
特にオーストラリアは人件費が高い国としても有名で、最低基本時給は日本の約2倍(約2,300-2,500円)です。2週間で48時間までという就労制限はあるものの、制限内でも十分生活費を賄うことができます。飲食店などのアルバイトであれば食費も節約でき、一石二鳥です。
海外で働くためには一定の英語力と働ける滞在期間が必要です。
従って、残念ながら3ヵ月、4ヵ月程度の留学では、たとえ学生ビザを取得しての語学留学でも、働くことは難しいでしょう。働きながら生活をし、生活費を節約できるようになるのは一般的に3〜4ヵ月目以降となります。したがって収入を得ることで留学費用を節約したいと考えている方は、半年から1年程度の語学留学がおすすめです。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。語学留学で費用を節約するための方法は、物価の安い地域に留学するという方法や、格安の語学学校を見つけ出すという方法、つまり、出費をいかにおさえるか…という点に注目する方が多いと思います。
しかし本当に質が高く意味のある留学をするためには、語学学校や渡航する国・都市の環境にこだわりたいものです。環境や質にこだわり、なおかつ留学費用を抑えるには、収入を得るという方法がおすすめです。具体的にどのくらいの収入を得ることができるのか、どのくらいの費用を節約できるのかなどは、留学カウンセリングにてご質問ください。
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