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  • 2017.04.13

留学するときでも奨学金は使えるの?

Terada
Terada

留学に限らず、専門学校、短期大学、大学、大学院など高等教育で学ぶためには「資金」が必要です。奨学金とは簡単にいうと、「学びを進めるお金」であり、これらの資金に対する支援制度または資金のことを意味します。
日本学生支援機構(JASSO)の「平成26年度 学生生活調査結果」によると、国立大学「49.4%」、公立大学「56.6%」、私立大学「51.4%」、つまり2人に1人がなんらかの奨学金を利用しているという結果が出ており、奨学金を利用して高等教育を受けることは珍しくなくなってきています。
ただ、奨学金はあくまで日本国内での高等教育で学ぶために必要な資金に対する支援制度しかないのでは?と思いがちな方もいらっしゃいますが、実は留学に対しての奨学金も存在します。

今回は留学に伴い必要な資金に対して受けられる奨学金の紹介をしていきたいと思います。

1、奨学金とは?

奨学金
奨学金とは、一般的に能力があるにも関わらず、家庭環境や経済的な理由から修学することが難しい学生を支援するため、国や地方自治体、大学、民間企業などが、修学に伴う費用(学費や設備投資費など)を「給付(返済義務なし)」または「貸与(返済義務あり)」する制度、あるいはその資金を意味します。
本来であれば、学業成績等が優秀な学生に対して、必要資金を給付し修学を促すことを目的とした制度・資金でしたが、本来の定義に該当する学生は著しく少なくなることから、近年は学生支援を目的とし奨学金を無利子ないし、低金利で「貸与」する奨学金など、幅広い奨学金制度が存在します。

国によって、また支給する団体によって考え方は少し異なりますが、奨学金の目的は大きく分けて2つあります。
1)学生への経済的支援
2)能力がある人材(学業や運動面での成績などが優秀な人材)を、将来的に社会に貢献してくれる人として育てる

奨学金を利用しようかと考え始めたときに知っておくべき基礎知識

運営している組織
・国や地方自治体による公的な機関による奨学金
・学校独自や育英団体など民間による奨学金

国が行う奨学金支援団体の代表例が日本学生支援機構(JASSO)、地方公共団体が行う奨学金支援だと、グローバル人材育成センター埼玉が設立した海外留学奨学金制度などがあります。(ただし、地方公共団体の場合、都道府県ごと、市区町村ごとに行うものがあり、すべての自治体で行っているわけではありません。)
学校独自や育英団体など民間による奨学金の代表例といえば、新聞奨学金です。新聞配達をはじめ、チラシの折り込み作業、受け持ち地区の集金などの仕事をする代わりに、奨学金支給と併せて給与がきちんと支払われるため生活費や学費を賄うことができます。

返済につて
・給付型(返済義務がない奨学金)
・貸与型(返済義務のある奨学金)

奨学金には、返済義務のあるものとないものがあります。
残念ながら、日本の奨学金は、欧米と違い、大部分の奨学金が卒業後に返還義務を負う貸与型で、近年、不況や雇用悪化で利用者が貧窮し、返済に行き詰まるケースも急増しているようです。日本の奨学金は、奨学金とはいうものの、英語でいうところのScholarship(給付型奨学金)ではなくloan(借金)であることに対し、十分に注意しましょう。

利息について
・有利子(利子が付くタイプ)
・無利子(利子がつかないタイプ)

貸与型の奨学金のなかでも、借りた金額だけを返せばいい「無利子タイプ」と、借りた金額に利息をつけて返さなくてはならない「有利子タイプ」があります。
有利子タイプの具体例でいうと、日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金があります。

日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金を利用し、日本の私立大学4年制に進学し、月々10万円を借りたと想定します。

貸与総額:480万円(10万円×48ヵ月(4年間))
貸与利率:3.0%(第二種奨学金の年率は3%を上限として変動します。)
返済総額:6,459,510 円

となります。返済期間は20年(例:2022 年 10 月 ~ 2042 年 9 月)、月々約26,900円の返済となります。
つまり、実際に借り入れた金額よりも約166万円多く返済しなければないということです。

奨学金の種別について
・メリット・ベース:
奨学金を支給することで、学業や運動面で優秀な学生を集めたいという奨学金を提供する側のメリットと、奨学金を受けて高等教育を受けたいという学生側のメリットがマッチする奨学金。給付型が多いが、成績が落ちたり、ケガや病気などが原因でスポーツを継続できなくなったりすると打ち切られることもあります。

・ニーズ・ベース:
学生の家庭環境・経済状況などを基準に支給される奨学金。一定以上の学業成績などを残すことを条件に給付型の場合もあれば、卒業後返済義務を伴う貸与型の場合もあります。

学生指定型(給付型が多い):
発達途上国からの留学生や、難民など、応募者の人種、宗教、家族構成、保健状態など、学生の個人的状況に基づいて支給される奨学金。一定以上の学業成績などを残すことを条件に給付型の場合もあれば、卒業後返済義務を伴う貸与型の場合もあります。

キャリア指定型:
特定の分野・研究領域に進むことを計画している学生を対象として、その成果や結果を期待し教育機関が支給する奨学金。給付型が多いですが、一定の成果や結果を出せなければ、支援を打ち切られることもあります。

教育機関指定型:
教育機関側が、学業成績優秀な学生に対して支給する奨学金。給付型が多いですが、一定の学業成績を修め続けなければ、支援を打ち切られることもあります。

2、初めに知っておきたい、奨学金を利用する上でのメリットとリスク

奨学金のリスク
さて、「1、奨学金とは?」をご覧いただき、すでにお気づきのことと思いますが、奨学金を利用することの最大のメリットは、「お金の問題で学業を諦めなくてすむ」という点です。しかしそこには大きなリスクが存在します。

奨学金を利用する上での「リスク」とは、日本の奨学金の場合、多くが、または一部の優秀な学業成績やスポーツ成績を修められる一部の学生以外は、給付型ではなく返済義務を伴う貸与型の奨学金を利用せざるをえず、学業修了後に「借金」を背負うことになるという点です。

留学カウンセリングを行っていると、「子供に本気で学業に取り組んでほしいから」という理由で、奨学金を利用(本人がその学費を背負う形に)したいというご両親様がときおりいらっしゃいます。「日々の生活やいざ何かあったときのことを考えると大きなお金(学費など)を出すのは不安…。だから借りられるだけ借りてあとから返していく方がいいのでは?」と考えられる方もいらっしゃいます。
しかし、社会人経験のあるご両親様、大人であれば、社会において「借金」を背負っていることがどれだけビハインドになるのか?ご存知だと思います。留学を終え、大学を卒業し、社会人になり、自動車やマンションを購入するとき、結婚したり出産したりするとき、できる限り負担を少なくしていくためにも、また、無駄なお金(利子)を使わないためにも、できる限りは、ご本人様、またはご両親様からの援助を中心に留学費用のご準備をいただくことをお勧めいたします。

ただし、来るグローバル社会に備え、今や留学のなかで得られる経験や、実践的な英語コミュニケーション力は今や必要不可欠なものとなりつつあります。
できる限りは、きちんとご準備いただきつつ、本当に価値のある留学に対し、不足部分を奨学金で賄うことも時には必要です。将来、お子様が、奨学金を無理なく返済していけるだけの収入を得、自立して生活していけるようになるためにも、リスクとリスク対策をきちんと踏まえた上で奨学金は利用しましょう。

3、留学で利用できる奨学金

種類をチェックしよう
では、留学で利用できる奨学金にはどのようなものがあるのでしょうか。
利用できる奨学金を見つけるためにはいくつかの条件を確認しなければなりません。

□ 奨学金支援団体が指定する教育機関への留学かどうか
例:高等教育機関(学位取得が可能な教育機関)への留学か、そうでないか
□ 世帯収入が、奨学金支援団体の規定を上回っていないか
□ 学業成績が、奨学金支援団体の規定を下回っていないか
□ 留学期間は、奨学金支援団体の条件を満たしているか

これらを踏まえ、留学で利用できる奨学金にはどのようなものがあるか見ていきましょう。

日本学生支援機構(JASSO)
詳細:http://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/index.html
給付型
・海外留学支援制度(学部学位取得型)

参照:平成30年度募集の募集要項
対象者
・海外にある大学で「学士号」を取得する課程に直接進学する者
・平成29年度に日本国内の高校・専修学校の高等部を卒業する者、高等専門学校3年次を修了する者
・高等学校卒業程度認定試験の合格者
※その他、語学能力要件、年齢制限等があります。 詳細は、平成30年度海外留学支援制度(学部学位取得型)募集要項をご参照ください。

支援内容
奨学金及び授業料の支給(給付型)
奨学金月額:59,000円~118,000円(留学先の国・地域により月額が異なります。)
授業料:年間250万円を上限とする実費額(支援額は、政府予算の成立状況等により変更する場合があります。)

支援期間:原則4年間

他の奨学金との併用:可能

給付型 その他:
・海外留学支援制度(大学院学位取得型)
・海外留学支援制度(協定派遣)
・官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム~

有利子貸与型
「第二種奨学金(海外)」
「第二種奨学金(短期留学)」

教育一般貸付(日本政策金融公庫「国の教育ローン」)
詳細:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html
海外の語学学校、高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院などの教育機関へ6ヵ月以上留学する場合に対象となります。日本学生支援機構との併用も可能です。

例1)
現在日本の大学在学中で、1年間の語学留学に行きたい方の場合、目的が学位取得などではないため、日本学生支援機構の奨学金は利用できません。よって、日本政策金融公庫「国の教育ローン」の奨学金を利用することになります。(国の教育ローンであれば、学費、生活費、航空券、保険、ビザ申請諸費用などの費用を借り入れることができます。)
語学留学について

例2)
海外の大学進学を目標とし、且つ下記のようなスケジュールで留学する場合

①10ヵ月間、語学学校に通う
英語力を大学入学規定レベルまで伸ばすため、まず語学学校で勉強する

②大学進学
4年間就学し、卒業

②の大学の学費は日本学生支援機構の奨学金利用が可能です。
しかし、①は日本学生支援機構の奨学金対象となりません。よって日本政策金融公庫「国の教育ローン」を利用します。
海外大学進学について

4、さいごに

奨学金を利用するかどうか
近年、大学在学中に留学する方が非常に増えています。ただ大学在学中ともなれば、留学費用だけではなく大学に支払う学費やその他生活費の仕送りなどの費用も発生しているタイミングです。
国公立大学であれば年間の学費が50万円~100万円、私立大学であれば100万円~200万円、歯学部や医学部などになると250万円~300万円、ここに入学金や設備投資費、在学期間中の生活費への仕送りなど、その他の雑費が重なります。

例えば、地方から上京し、私立大学(4年制)に通い、家賃や光熱費などの生活費のために月々8万円の仕送りをしてもらったと想定します。

すると、初年度で
入学金 約30万円
学費・設備投資費など雑費 約150万円
引っ越し代など 約40万円
仕送り 約100万円
――――――――――――――
合計 320万円
2年目以降は、年間250万円(学費と生活費)×3年間
――――――――――――――
4年間の大学生活の合計費用 1,070万円……
その他にも入学式のスーツ代や、成人式の振袖費用など、この時期はなにかと物入りです。
ここに留学も…となるとプラス200万円~300万円の費用が必要です。

平均年間300万円程度のお金がかかるとなると、家のローンや日々の生活費、その他、同年代の兄弟にかかる費用など、世帯年収が少なくとも900万円以上はないと、厳しいのが現状だと思います。

先述したように、奨学金は多くの場合「借金」であり、リスクともなり得ます。しかし、一方で、学位も英語力も、海外経験も、大学生時代に習得できなければ、その後の就職やキャリアに大きな影響があることも事実です。学位がないというだけで、英語力がないというだけで、お子様の可能性をグッと狭めてしまうだけではなく、お子様の将来の収入すらも左右する時代がきています。

長い人生を見据え、5年後、10年後、後悔のない選択をするためにも、奨学金に関してはきちんとメリットとリスク、その他諸条件をきちんと確認し、利用するようにしましょう。

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