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  • 海外留学体験談
  • 2017.12.09

英語以上に得られるものが山ほどあったカナダ ワーキングホリデー|体験談‐三ツ山 尚杜さん

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カナダのワーキングホリデーで1年間留学、その後、約3ヵ月間アメリカやメキシコを旅行して帰国された三ツ山さん。英語は全く喋れなかった…というところから日本での資格や経験、持ち前の行動力でカナダのマッサージセラピーのお店で働き、最終的には、メキシコの地を3ヵ月、1人旅できるまでに成長しました。次はオーストラリアへの渡航を考えているという三ツ山さんからカナダ ワーキングホリデー体験談を伺いました。

1.きっかけ‐アメリカの大学で取得したい資格があった


もともとバスケットが大好きで、学生時代、将来はNBA(National Basketball Association)でスポーツトレーナーとして働きたいと考えていました。「NBAでスポーツトレーナーとして働くためにはどうしたらいいのか?」といろいろ調べていたところ、NBAでスポーツトレーナーとして働く人々の共通点を見つけました。それが、業界最高峰の『NATA-ACT』と呼ばれる超難関資格です。NATAとは、National Athletic Trainers’ Associationの略で、全米アスレチックトレーナー協会のこと、ACTは、Certified Athletic Trainerの略でアスレチックトレーナーとしての資格です。この資格は、当時、CAATE(アスレティックトレーニング教育認定委員会)が公認する4年制大学、もしくは、大学院のアスレティックトレーナープログラムを卒業することが条件として求められ、規程のインターンなどをこなし、最終的には、BOC certification exam(認定試験)を合格する必要がありました。

長いながい道則ですが、当時の私は、その長い道のりに足を踏み入れることすらできない状態でした。
理由は「英語力」です。

当然ですが、アメリカの大学で勉強するためには、「英語力」が必要です。
海外経験と言えば、高校生時代、ニュージーランドに1週間のファームステイ、アメリカ ロサンゼルスへの旅行くらい…。そんな私の英語力は、「初級」レベルでした。
英語力を身に付けるためには、英語を使わざるを得ない環境に身を置くのが一番だと考え、留学を検討し始めました。当時、柔道整復師を目指し専門学校に通っていた私は、専門学校卒業後、2年間柔道整復師として経験を積みつつ留学資金を貯めていきました。

2.留学先のカナダ。決めた理由はフィーリング!?


留学にもさまざまな制度、プランがありましたが、最もリーズナブルに長く渡航できる留学は何かと調べたときに、ワーキングホリデーが候補として挙がりました。ワーキングホリデー制度を利用できる国には、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどさまざまな国がありますが、なんとなく、カナダに決めました(笑)。当時登山にのめり込んでいた私には自然豊かで、登りがいのある山々が連なるカナダが、自分の留学先としてピッタリな場所だと思いました。

カナダは、アメリカに隣接しながらも治安がよく、日本人にとって英語も比較的聞き取りやすい国です。また、将来的にアメリカの大学進学を検討していたため、大学の下見もできるのではないかなど、なんとなくで選んだわりには、多くのメリットがありました(笑)。

都市選びは若干悩んだものの、ロッキー山脈を筆頭に「登ってみたい」と思える山々がすぐ近くにあるということもあり、バンクーバーに決めました。

余談ですが、登山は、19歳のときに初めて富士山に登ったことをきっかけにはまりました。富士山は登りきるまで、本当に大変でしんどくて、途中で下山したいと思っても、下山するのも大変で、ただただ前に進むしかなくて……、登山中は、不平不満を漏らしていたほどです(笑)。ただ、登り切ってみると、今までの人生のなかで感じたことのない「達成感」を感じたんです。この達成感が忘れられず、登ることがとてつもなくしんどかったにも関わらず、その後、日本で二番目に高いと言われる北岳、難易度の高いと言われる槍ヶ岳など、さまざまな山に登りました。カナダへのワーキングホリデー中もしかりです。バンクーバーから20分程度で訪れることができるボーエンアイランドでの登山からはじまり、バスで登山口まで行くことのできるグラウスマウンテン、ウインタースポーツでも有名なウイスラーなど、さまざまな山を登りました。いずれの登山も苦しく、時に危険も伴うものでした。ただ、登り切ったときの達成感、無事山を下りることのできたときの、なんとも言えない充足感(「生きててよかった!」と本気で思うこともありました)など、他ではない経験が私を山へと突き動かしました。

この時の気持ちは、留学中に持っていたマインドにも、そして人生観にも共通するとことがあると思います。
留学も、人生も時にしんどいこと、辛いことがあります。苦しい決断を迫られることもあるでしょう。しかし、後戻りすることも、時間を巻き戻すこともできません。ただただ、前に向かって進んでいくしかないんです。
辛いながらも、しんどいながらも進むしかないのであれば、その苦しさやしんどさもひっくるめて楽しんでいかないと損だし、立ち止まって悩んでも、結局進むしかないのだから、やりたいと思ったことには、悩まず挑戦していく、そんな自分の気持ちを常に思い出させてくれるもの、それが登山だったんだと思います。

3.語学学校に通いながら見つけたローカルジョブ


約2年間、柔道整復師として働きながらお金をため、2015年10月カナダに渡航しました。
英語力が超初級だった私は、ワーキングホリデー開始直後約半年間、ILACという語学学校に通いました。厳密にいうと、語学学校に通ったのは5ヵ月間なのですが、その間1ヵ月、家探しや仕事探し、そしてちょっと長めの旅行(イエローナイフでオーロラを見ました!)などのため、ホリデーを取得したため、トータルの就学期間が6ヵ月間になった…という感じです(笑)。

三ツ山さんが通った語学学校ILAC

カナダに到着してすぐは、英語が全くできず、とりあえず勉強しなくては…という感じで、ホームステイしながらILACでコツコツと勉強しました。3~4ヵ月たつと他国からの留学生とも少しずつコミュニケーション取れるようになり、ホストファミリーを含む、ネイティブ環境での会話にも免疫が付いていきました。

そのタイミングで、少し時間をかけて旅行に行きたいと思ったことをきっかけに、1ヵ月の休学を決意。
ホームステイを出てシェアへ引っ越しし、携帯電話を用意、収入を得るためにアルバイト探しをしました。「日本人ばかりの日本食レストランだけはだめ!」そう自分に言い聞かせ、できる限りネイティブ環境での仕事を探しました。

そこで見つけたのが、マッサージセラピーのお店です。
日本で柔道整復師のとして働いていたため、今まで学んだスキルや知識を活かせること、また将来的に海外でスポーツトレーナーとして働きたいという目標に繋がる経験になるのではないかという思い、そして何よりネイティブ環境での仕事だったため、英語力も伸ばせる環境だったということなどから、マッサージの仕事をすることに決めました。

英語は、正直ものすごいできる…というレベルではありませんでした。
面接では、聞かれたことに対して、多少わからなくてもきちんと大きな声で自信満々に答えること、これだけ強く意識して臨みました。無駄に自信満々な態度が功を奏したのか、「じゃぁ、やってみろ」とスキル面のテストが実施されました。クリームやオイルの使い方はよくわからなかったものの、なんとか実践。無事、面接をパスすることができました(笑)。

カナダで働き始めるに伴い「日本人(アジア人)に対する差別があるので、ローカル(カナダ人が経営するお店)で働くのは大変だよ」と聞いていたこともあり、最初は不安もありました。

しかし、実際に働き始めてみると「日本人」であることに対してある種のリスペクトはあるものの差別的な待遇を受けることはなく働くことができました。もちろん、アルバイトし始めてすぐは、当然わからないことだらけでした。お客様の言っていることがわからない…、仕事上で指示されていることがわからない…。そんなことは都度ありました。ただ、移民の国カナダでは英語がわからない私にも比較的寛容で、お客様からの要望で私が理解できないことがあると、他のスタッフの方が簡単な英語で要約して説明してくれるなど、対応してくれました。
毎日、必死に英語環境で仕事をこなすなか、ワーキングホリデーも終わりに近づく9月頃には、なんとか普通に対応できるまでにはなれたかなと思います。

お給料は、時給だと10.75ドル、または歩合制で、いずれか良い方の給料プラスチップをもらうことができました。歩合は、フットマッサージの料金×〇〇%という感じの計算で、最終的には結構お客様にもついていただけたので、月収は20~25万円と、日本よりもいいくらいでした(笑)。

カナダ ワーホリ生活&旅行

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4.キーマカレーで食費と時間を節約!貯金してメキシコへ


シェア先の家賃は光熱費、Wi-Fi代金など込みで約5万円。キッチン、バス、トイレなどはシェアですが、1人部屋で、比較的快適でした。

仕事のペースもつかめてくると、だんだん生活の収支が固定化されていきました。
収入と滞在費、携帯代などは固定なため、いかに貯金できるかは、「食費」をいかに節約できるのかにかかっていました。そこで、私がトライしたのは「自炊」です。

ワーキングホリデーでカナダに来る前、日本では「自炊」したことがなく、まったくもって料理ができなかった私の食生活(カナダ)は、「お肉×サラダ」ばかりの日々でした。気が付けば、エンゲル係数はかなり上がり気味…。「自炊」生活をしながらの「節約」には、英語力を伸ばすのと同じくらい、自炊生活には工夫と努力が必要でした(笑)。

まず取り組んだのは日本でもおなじみ、クックパッドを見ながらの調理です。
ただ、クックパッドで紹介されている調味料は、カナダでかなり高額。しかも、クックパッドの言う通り作ってみたにも関わらず、あまり美味しくありません(笑)。
次に挑戦したのはYou tubeで紹介されている調理方法を参考にしながらの料理です。一つの料理につき、いくつかの動画を見て、調理方法を組み合わせながら自分が好きな味を見つけ、結果、7種類の定番メニューを作り上げました。

定番メニューには、キーマカレー、そば、うどん、キムチチャーハン、パスタ(バジル、ペペロンチーノ)などがありました。なかでもキーマカレーは調理時間90分で、一度作ると作り置きができ5週間ローテーションで楽しむことができるため、大活躍でした(笑)。オリーブオイルなど調味料を揃える際には3万円程度先行投資したものの、定番メニュー完成後の食費は月々8,000円程度。家賃や携帯代などを含めても月9万円程度での生活を実現しました。

ういた15万円はすべて貯金。貯めたお金で、登山やカナダ観光、そしてワーキングホリデー終了後のメキシコ旅行を堪能しました。

メキシコ旅行‐“See you”と伝えた友達には必ず会いに。

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ILAC(語学学校)では、さまざまな国から留学生が訪れていました。1~2ヵ月間の学生もいれば、3~4ヵ月の学生もいました。日本人のように5~6ヵ月通う学生は比較的稀で、就学期間中、多くの出会いと別れがありました。日本人はよく「社交辞令」で会う気もないのに「また会おうね!」ということがありますよね。私はそれがどうしても嫌で、“See you”と伝えた人には必ずまた会うと決めていました。

カナダでのワーキングホリデーも終わりに近づくころ、Facebook上で、「“See you”と伝えた奴には必ず会いに行くから!」と書き込んだところ、「俺は、『“See you”と言われたぞー!』と、何人からかコメントが返ってきました。そこで、ワーキングホリデー終了後、アメリカ→ケイマン諸島→キューバ→メキシコと旅行、なかでもメキシコには再会を求め友人宅を転々としながら約3ヵ月間滞在しました。

メキシコ滞在中には、スペイン語を学ぶために語学学校に通ってみたり、孤児院のボランティア活動に参加し、学んだスペイン語で片言のコミュニケーションをとりながら日本語を教えたり、メキシコの「日本祭り」でたまたま出会ったメキシコ人宅にホームステイしてみたり(危険な可能性もあるので良い子は真似しないでください。笑)。カナダでの生活も、本当に楽しく、充実した経験でしたが、英語力も伸び、友人もできてからの最後のメキシコ旅行はその集大成と呼べる、さらに充実した時間でした。

ちなみに、メキシコでスペイン語の語学学校に通っていた際、日本語コースで日本語を学んでいるメキシコ人10名弱と出会いました。私は先生にその日本語コースに「ぜひ参加させてほしい!」と頼み、日本語を学ぶメキシコ人の生徒達と、日本語のスピーキング練習にお付き合いしたり、日本語の難しいニュアンスや、それぞれの意味、少し変わった日本文化(社交辞令や忖度など)も教えたりしました。
スピーキング練習の相手をするときはもちろん日本語ですが、言葉の意味を伝えたり文化や習慣などの話をしたりする際はスペイン語や英語で行ったため、私の語学力向上にもつながりました。

実は、日本に帰国した後、今年の6月に、当時のクラスメイトの何人かが日本を訪れてくれて、再会!一緒に京都観光を楽しみました。そこでの彼らとのコミュニケーションは英語でした(笑)。
語学を学ぶということを通じて、本当にさまざまな国の人々と出会い、英語力を身に付けたことで世界をグッと近くに感じることができるようになりました。言葉を学び、コミュニケーション取れる人が増える、出会った人々との出会いがつながっていくというのは、なんとも言えない、貴重な、そしてとても面白い経験でした。

5.今後の目標と皆さんへのメッセージ


ちなみに、ここまでの話だとカナダでのワーキングホリデー中は、ひたすら働いて節約して貯金ばかりしていたような印象ですが、カナダでの生活も思い切り楽しみました。

通っていたジムでは筋トレをする傍ら、そのジムで人が集いバスケットボールをする!という日には必ず参加。英語はできずとも、共にプレーすることで、スポーツが国境を超える瞬間を体感したり、語学学校で知り合ったカザフスタン人の友人の紹介で、ホテルのベッドを移動させるバイトを8人のロシア人に囲まれながら挑戦、ロシアの価値観や文化に触れたり、職場の仲間とは時に冗談を言い合い、日本の「お笑い(ダチョウ俱楽部ネタ)」をひたすらはやらせてみたり(笑) とにかく日本にいたままではありえなかった経験や出会いが溢れていました。

私は、将来の夢のために英語力向上を目的にワーキングホリデーしましたが、英語以上に得るものがものすごいありました。むしろ英語というコミュニケーションツールを介して得られた出会いや経験など、英語力習得の先にあったものこそ、価値あるものだったと感じています。そして、それこそ、ワーキングホリデーした価値だなと思います。これは、日本で英会話レッスンに通っていただけでは絶対に得られない経験です。

日本では、「みんなと同じ」=「安心」という公式が成り立つ感じがありますよね。
だから、本当はやってみたいこと、挑戦してみたいことがあっても、ついつい他人の意見に左右されてしまったり、周りの人が選ぶ道を選んでしまったりすることもあると思います。
ただ、私は、人と違っても、自分が「これだ!」と思う道や選択をしてきて、本当に充実した時間を過ごすことができました。

実は、今後の目標として「オーストラリアへの移住」を掲げています。
アメリカで大学・大学院に進学し資格を取りNBAでトレーナーとして働くという目標もありましたが、アメリカの大学・大学院に進学するために必要な学費を稼いでいるうちに私の20代、30代が終わってしまいます。そのことから、思い切って、改めて自分がやりたいことを考え、その道にチャレンジすることを決めました。

周りの人のなかには、「そろそろいい年齢なんだから、日本で腰を据えた方がいいのでは?」という方もいらっしゃるでしょう。「オーストラリアへの移住って…そんな非現実的な…」という方もいらっしゃるでしょう。でも、いいんです。1度きりの人生。私は私にとって、何が大切で、どうしたいのかを真剣に考え、他人のモノサシではなく、自分で判断・決断し、進んで行きたいと思っています。

グローバル社会などと言われますが、ワーキングホリデーや留学など、日本人にとってはまだまだ抵抗感のある方もいらっしゃると思います。必ずしも留学やワーホリすることが正解とは言いませんが、本当に自分がどうしたいのかを真剣に考え、「留学したい」「ワーキングホリデーに挑戦したい」という答えがでるなら、思い切って一歩踏み出していただくことをお勧めします。

頑張ってください!

留学体験者:三ツ山 尚杜様
留学期間:2015年10月から2017年1月
留学プログラム:カナダ ワーキングホリデー
語学学校:ILAC(アイラック)

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